議案の採決の前には各議員からの賛否を表明し、賛同を求める「討論」が行われます。特に重要な議案への各議員の賛否と、漢人と関係する「討論」をご紹介します。
 
2012年 第3回臨時議会(10月16日)
 ●小金井市職員に支給する諸手当を一括して適正化する条例
賛成1、反対21で否決しました
みどり・市民ネット /漢人 片山 田頭 青木 渡辺
(野見山…議長)
 × × × × ○
共産党 /森戸 関根 水上 板倉   × × × ×
民主党・社民クラブ /村山 鈴木 武井 宮崎  × × × ×
公明党 /宮下 紀 小林 渡辺  × × × ×
自民党 /遠藤 中根 露口 中山  × × × ×
改革連合 /篠原   ×
★漢人は反対討論をしました

 「小金井市職員に支給する諸手当を一括して適正化する条例」に対する反対討論を、みどり・市民ネットの青木ひかる、田頭ゆうこ、片山かおる、漢人あきこの4人を代表して行います。
 条例制定の直接請求の取り組みそのものは尊重すべきであり、多くの市民に直接民主主義の行使に敬意を表するものです。署名を集め、そして署名をされた皆さんの思い、市役所への不満・市職員の高額給与批判の表れとして重く受け止めるものです。

 地方公務員が民間サラリーマンと比較して給与面で優遇されているという一面の事実から、小金井市職員の諸手当を引き下げるべきだとする市民の感情は理解できす。しかし、市職員は労働に対する対価を得ているという意味で富裕層ではなく、本来は市民と同じ利害を有する層です。  一般にデフレの時期に、民間であれ、公務員であれ中所得層及び低所得層の給与(手当てを含む)を減らすことは、消費に回る可処分所得を減少させることになり、デフレをさらに助長し、不況を深刻化させることにつながります。  また、本来は利害を共有する市民と市職員に、無用な対立を持ち込むことは長い目で見て市民の利益にはつながらないと考えます。これらの意味で、小金井市職員の諸手当を一括して引き下げることは、経済政策上の誤りです。
 給料と手当の関係であるが、本来労働に対する対価としては給料にできるだけ反映していくべきで、かつて数々の複雑な手当を生み出したのは、給料の引き上げを名目上押さえ、実態的には手当でカバーしてきたという歴史的経過がある。今後は、扶養家族や地域の物価水準を反映させるなど最低必要な手当は残し、残りはできるだけ給料で支払うという原則に戻るべきではないでしょうか。同時に公務員の給与は簡素化して、市民にもわかりやすくしていくことが大切であると考えます。

 また、職員給与、人件費のあり方については、同じ職場で働く非常勤職員も含む総体として考えるべきです。平均年収200万円程度というワーキングプア状態の非常勤職員との格差を解消し、公平性を図ることが欠かせません。この状態を放置したままでは、高額給与批判を免れることはでいないという側面もあります。

 条例各項目についての考えを述べます。
 まず、退職手当についてです。
 稲葉市長は2年連続で市職員の退職手当を引き上げました。市長はこれについて、「貢献度重視型の退職手当制度を導入した結果である」としていますが、私たちは、貢献度は本給に反映されるべきであり、退職手当に役職による差別を持ち込むべきではないと考えます。よって、当面の措置として支給上限額を設定することには賛成します。

 次に、住居手当については、住宅ローンの支払いが終わった「持家」にまで住居手当を支給することに市民の理解は得られにくく、「持家」への支給は廃止するべきという意見と、持家か借家の選択はそれぞれの判断であり、手当に違いを設ける必要はなく、むしろ若年層への配慮を考えるべきであるという意見があり、私たちの中でも賛否が分かれています。

 次に、地域手当についてです。
 地域手当は本来、勤務地による生計費の差を調整するために支給される手当であり、主に民間賃金の高い地域に勤務する職員に適用されます。実際の民間賃金から考えれば、中央線沿線の国分寺市、小金井市、三鷹市、武蔵野市などでは同一水準であるべきですが、国基準は国分寺市15%、小金井市10%、三鷹市15%、武蔵野市15%とされており、国基準には合理性が見られません。不合理な国基準に照らして地方交付税が減らすなどの措置は、国家の地方自治への介入であり、追認できるものではりません。
 このような中、地域手当の水準については市と職員団体との交渉の対象となっています。現在、職員団体との交渉を経て小金井市は給与条例を改正し、来年2013年4月1日からは10%への引き下げが決まっています。私たちは、市議会が、市と職員組合との交渉結果と違う結論を出せないとする立場ではありませんが、わずか3ヶ月間の前倒しのために市民と職員の対立を生むことは市民の利益に反すると判断するため、年内の地域手当10%への引き下げには反対するものです。

 個別項目の最後は、勤勉手当についてです。
 勤務すべき日に勤務しない日数に対して、減額措置を厳格化することには賛成します。しかし、「勤務成績に基づいて支給率を定める」ことについては、「誰が」「どのような基準で」勤務成績を評価するのかが不明です。民間では昨今の成果主義による給与の査定が行き過ぎた結果、精神疾患や職場のいじめなどが働く者の心と体をむしばんでいる現実があり、これを是とすることはできません。現在市は、「客観的で本人や職場が納得できる信頼性の高い人事考課制度」を導入しようとしているさなかであり、その動向を見守るべきです。よって勤務成績に基づく勤勉手当の支給を急ぐことには反対します。

 以上のように、本条例案のうちの個別の手当削減には、賛成できる部分もあります。しかし職員給与問題は人件費として市財政全体の中で考えるべきです。将来負担も含めた財政問題全体として危機感を持つ必要はありますが、その対策を職員給与諸手当削減だけに求める本条例案は、賛成するには充分な論議が尽くされたとは言えません。
 また、人件費以外でも事業評価で第3者評価、外部評価を取り入れて、財政の無駄を省かなければならないと考えます。
 最後に今回の直接請求を行政も私たち市議会も重く受け止め、人件費の適正化への取り組みを前に進めるべきであることを述べ反対討論とします。



2011年第2回定例会(6月)
 ●当面の電力需給対策に関する意見書
賛成18、反対5で可決しました
みどり・市民ネット /漢人 片山 田頭 青木 渡辺
(野見山…議長)
 × × × × ×
共産党 /森戸 関根 水上 板倉   ○ ○ ○ ○
民主党・社民クラブ /村山 鈴木 武井 宮崎  ○ ○ ○ ○
公明党 /宮下 紀 小林 渡辺  ○ ○ ○ ○
自民党 /遠藤 中根 露口 中山  ○ ○ ○ ○
改革連合 /篠原   ○
こがねい市民会議 /斉藤  ○
★漢人は反対討論をしました

 議員案28号「当面の電力需給対策に関する意見書」への反対討論を行います。
 本意見書が政府に求める具体的な4つの項目については概ね賛成します。
 しかし、前提となる認識について、単なる事実誤認なのか、あるいは情報操作の意図があるのかはわかりませんが、明確な間違いがありますので、賛成することはできません。なお、提案議員には事前に、訂正もしくは撤回を求めましたが対応していただけなかったことを申し添えます。

 明確に事実に反しているのは「更に、菅直人内閣総理大臣による中部電力浜岡原子力発電所の停止要請により、夏場の電力不足問題は東日本のみならず全国的な問題に発展している」という認識です。

 まず、浜岡原発については、東海地震の想定発生域に立地し、30 年以内にマグニチュード8程度の地震発生確率が今後30年以内で87%と極めて高く、それによる原発の連鎖的な大事故の危険性が多くの識者から指摘されてきたところであり、「停止要請」は当然です。むしろ遅すぎたのであり、中部電力に判断を委ねる「停止要請」ではなく、「停止命令」とすべきでした。

 そして、浜岡原発の停止による電力不足については、中部電力は全国の電力会社の中でも原子力発電への依存率は10%程度と低いため、浜岡原発を全停止した場合でも十分な供給力を見込むことができます。
 さらに、飯田哲也さんが所長を務める政府や産業界から独立した第三者機関「環境エネルギー政策研究所」では、中部電力を含めた電力各社の供給力や過去の最大需要電力を含めた推計を行い、全原発を停止しても電力不足は生じないというデータと見解を発表しています。
 「5月9日の時点で、国内54 基の原子炉4,896 万kW のうち、約6 割にあたる2,923 万kW が停止していた。その状況での電力各社の原子力発電を除く電力供給力は、最大需要電力を十分にカバーできるものであり、原発を全機停止したとしても、関西電力以外は、まったく問題を生じない。さらに関西電力でも、揚水発電の活用、西日本全域での電力融通、自家発電からの電力買い上げ、東京電力管内で実施もしくは提案している需給調整契約を含むさまざまな節電策などを採ることで、問題のない需給としうるレベルだ」というものです。

 この間、原発を止めると大幅な電力不足に陥る、あるいは大幅な電気料金の値上げを招くかのようなキャンペーンが展開されています。しかし、実際は原発以外の既存の発電所によって相当な電力の供給ができること、原発のコスト計算が、燃料の採掘から10万年にも及ぶ廃棄物の処理、さらに今回のような事故に伴う補償などの費用は一切含めないなかで行われていることなどが改めて明らかになっています。
 本意見書が求める内容は一見正しいのですが、誤った認識のもとで進められることで、結果として、異なった未来を招くことになりかねません。その点を強く指摘して、本意見書には反対いたします。



2010年 第4回定例会(12月)
 ●北朝鮮による韓国・ヨンピョン島(延坪島)砲撃に関する決議
賛成17、反対6で可決しました
みどり・市民ネット /漢人 片山 田頭 青木 野見山 渡辺 × × × × × ×
共産党 /森戸 関根 水上 板倉  ○ ○ ○ ○
民主党・社民クラブ /村山 鈴木 武井 (宮崎…議長)  ○ ○ ○
公明党 /宮下 紀 小林 渡辺 ○ ○ ○ ○
自民党 /中根 露口 ○ ○
自民クラブ /遠藤 中山 ○ ○
改革連合 /篠原  
こがねい市民会議 /斉藤
★田頭議員が会派を代表して反対討論をしました

 議員案第67号、「北朝鮮による韓国・ヨンピョン島砲撃に関する決議」に反対する立場から、みどり・市民ネットを代表して討論を行います。

 11月23日の、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)による韓国・ヨンピョン島及びその周辺海域に対する砲撃によって、兵士と基地建設に携わっていた労働者の計4名の命が奪われました。被害は基地だけでなく市街地にも及び、尊い人命を奪った事態は決して許されません。心からの弔意を表明し、被害に合った方々の心身の回復と一刻も早く平安で安全な暮らしが復興されますことを祈念いたします。
 国際社会もまた今回の事態は看過すべきでなく、北朝鮮が核兵器の開発も含め、これ以上のあらゆる軍事的な挑発行為を放棄するよう求めることには賛同するものです。

 しかし、本決議が北朝鮮への新たな制裁措置を日本政府に求めていることには疑問を感じざるを得ません。拙速な制裁措置は、北朝鮮政府によって苦しめられている北朝鮮の人々をさらに困窮させ、北朝鮮政府がその不満を外に向けさせるために軍事挑発をエスカレートすることにつながります。
 また、今回の砲撃の前には、北朝鮮側の繰り返しの中止要請を無視した、韓国側の大規模軍事演習が強行されていました。ヨンピョン島への砲撃という事態を受けて、日米韓の同盟による北朝鮮への圧力を強めれば、東アジア地域の緊張をさらに高め、結果的にまた北朝鮮が軍事力強化をはかる悪循環を招きかねません。

 そもそも朝鮮半島の恒久平和のためには、停戦状態にある朝鮮戦争に終止符を打つことが必要であり、停戦協定に反して朝鮮半島での大規模軍事演習を繰り返しているアメリカの責任は重大です。今求められているのは、6カ国協議の場に北朝鮮を復帰させ、東アジアの平和と安全、核軍縮のために、対話を再開させることではないでしょうか。日本政府は、拉致問題の早期全面解決のためにも、制裁ではなく、粘り強く対話の道を探るべきであると考えます。

 よって、この決議に反対いたします。



 
2010年 第3回定例会(9月)
 ●沖縄県尖閣諸島海域の中国漁船衝突事件に関する意見書
賛成15、反対5、退席3で可決しました
みどり・市民ネット /漢人 片山 田頭 青木 野見山 渡辺 × × × × × ○
共産党 /森戸 関根 水上 板倉  ○ ○ ○ ○
民主党・社民クラブ /村山 鈴木 武井 (宮崎…議長)  △ △ △
公明党 /宮下 紀 小林 渡辺 ○ ○ ○ ○
自民党 /中根 露口 ○ ○
自民クラブ /遠藤 中山 ○ ○
改革連合 /篠原  
こがねい市民会議 /斉藤
★漢人は反対討論をしました

 議員案53号「沖縄県尖閣諸島海域の中国漁船衝突事件に関する意見書」に反対する討論を行います。
 今回の中国漁船の拿捕、船長の逮捕・釈放をめぐって日中領土領海問題が噴出し、中国側の反日感情、反日行動、日本国内での反中国感情、反政府感情が高まっています。このような事態を招いた今回の日本政府の先の見通しのない対応の責任は重大です。

 日中間には、1970年以降、尖閣諸島(中国名:釣魚島)の領有をめぐる対立が顕在化していましたが、両国とも、1978年の「日中平和友好条約」締結の際のケ小平さんの「尖閣論争の棚上げ」方針に従って、決定的な対立を回避してきました。2004年の中国人活動家「上陸」に対しても逮捕後すぐに「国外」退去処分にした当時の小泉首相は、「国内法」よりも「ケ小平との約束」を優先する判断を下したのです。
 ところが、今回、日本政府は「ケ小平との約束」を一方的に破棄しました。その後の政府の対応を見れば、なんらの展望もないなかでの判断であったことはあきらかです。

 政府は「領土問題は存在しない」という態度を繰り返し表明しています。本意見書でも「尖閣諸島および周辺海域が我が国の領土・領海であることを、政府は毅然とした態度を堅持し中国並びに国際社会に積極的に示すこと」を求めています。
 しかし、ことは簡単ではありません。現実には中国が領有権を主張して紛争が起こっています。つまり「領土問題」が生じているわけです。にもかかわらず「領土問題は存在しない」と表明することは、「中国側の主張は無視する」「問題解決のために対話する必要はない」と宣言するに等しいことです。本意見書は「尖閣諸島は我が国固有の領土」とし「中国への厳重な抗議と再発防止」を求めていますが、このような姿勢からは意見書の5項目目に掲げる「対話による信頼関係の醸成」を導くことは困難です。
 政府は領土問題が生じていることを認め、対話と交渉によって解決するという態度を表明するべきです。

 尖閣諸島の領土問題が生じたのは、中国が1970年代以降、領有権を主張し始めたからであり、中国の領有権の主張がこの海域の石油・天然ガスの発見をきっかけにした資源ナショナリズムにもとづいていること、中国が覇権主義的な態度を強めていることは明らかです。
 しかし、尖閣諸島の領有権は日本にあるという主張にも、根本的な問題があります。日本の領有権の設定は日清戦争の最中の1895年であり、日本が「沖縄処分」を経て本格化させていた朝鮮半島と台湾への侵略、領土拡張の戦争の一環として行なわれたことを意味します。
 また、日本政府が領有権を正当化する、所有者のいない無主の島については最初に占有した者の支配権が認められるという「無主地先占」の主張に対して、中国側からは、無主の島ではなく中国が明の時代から領有していたという史料が複数提示されています。国内においても、京都大学・歴史学の故井上清さんが日本の領有を歴史的に否定する論文を発表するなど論争となっているところです。
 いずれにしろ、国際法の論理とされている「無主地先占」の法理は、帝国主義列強による領土獲得と植民地支配の論理でした。「無主地先占」の法理によって、アイヌなど世界の先住民の土地が強奪されたのです。尖閣諸島の領有権は、日本の侵略戦争の一環として確定されたことを明らかにし、歴史的に反省する態度が必要ではないでしょうか。

 そもそも国境線は近代の歴史においては極めて恣意的に引かれたものです。国境を直ちになくすことはできませんが、国境のない世界を展望して、領土紛争の発生している地域は対話と交渉によって共同管理・共同利用の下に置くことをめざすべきだと考えます。早稲田大学・現代中国論の天児慧さんは、紛争の発生している領土領海地域に限定した「脱国家主権」、「共同主権」による解決を主張し、そのために、領土問題は存在しないという政府主張を変更して中国と対話を開始し、「当地域をめぐる諸問題を解決するための専門委員会を設置する」ことを提案しています。
 この海域で、当事者である沖縄、中国、そして台湾の漁民が国籍にかかわらず安心して漁を営むことができる条件を整えることこそが「現地主義」「市民主権」の原則であり、最優先させるべきです。
 尖閣諸島論争の「棚上げ」を宣言したケ小平さんは、問題の解決を「次の世代の智恵に託す」とも言われたそうです。国益をかざしたパワー対決や被害者意識に基づくナショナリズムの発露に希望はありません。いま、私たちは日中両国の次世代としての智恵が求められ試されているのではないでしょうか。
 以上述べた理由により、本意見書の提出に反対します。



 
2010年 第2回定例会(6月)
 ●選択的夫婦別姓制度の導入に反対する意見書
賛成5、反対18で否決しました
みどり・市民ネット /漢人 片山 田頭 青木 野見山 渡辺 × × × × × ×
共産党 /森戸 関根 水上 板倉  × × × ×
民主党・社民クラブ /村山 鈴木 武井 (宮崎…議長)  × × ×
公明党 /宮下 紀 小林 渡辺 × × × ×
自民党 /中根 露口 ○ ○
自民クラブ /遠藤 中山 ○ ○
改革連合 /篠原  
こがねい市民会議 /斉藤 ×
★漢人は反対討論をしました

 議員案32号「選択的夫婦別姓制度の導入に反対する意見書」への反対討論をみどり・市民ネットを代表して行います。
 先週閉会した国会において、選択的夫婦別姓制度を導入する民法改正がなされなかったことは、とても残念です。法務大臣の諮問機関である法制審議会が民法改正要綱案を答申したのは14年も前のことです。民主党は答申の翌年の97年に単独で、98年からは他の野党とともに、衆参で民法改正案を提出してきました。ところが今回、選択的夫婦別姓を公約として政策集に掲げた民主党政権であるにもかかわらず、初めて通常国会に法案がないという事態に至りました。
 民法改正案を通常国会の提出予定法案とし、法務大臣が提出の意向を繰り返し答弁したにもかかわらず、閣議決定すら行われませんでした。連立を組む国民新党の抵抗によるものと思われますが、たいへん残念です。政府に対して、一刻も早い法案提出に向けた調整と決断を求めるものです。

 さて、本意見書は自民党のお二人の議員からの提案ですが、小金井市議会では、過去2回にわたって「選択的夫婦別姓の早期実現を求める意見書」を政府に対して提出してきました。1996年の提案者の中には今回の提案者のお一人も名を連ねていらっしゃいました。
 本意見書では、夫婦別姓を選択した場合に、子どもが両親のどちらかと違う「親子別姓」となることで家族の絆が壊れるとしています。
 しかし、いま、政府が導入しようとしている選択的夫婦別姓制度は、いわば結婚する際に、妻も夫もどちらも姓すなわち名字を変えないというオプションを加えようというというものです。夫婦の名字を同じにするか、それぞれの名字をそのまま維持するかは選べるということです。
 夫婦の一体感や家族のきずなが夫婦同姓によって維持されると思うカップルは、今までどおり同姓を選択することができます。しかし、家族の一体感は名字ではなく、信頼感等の関係性によって維持したいと思うカップルが、それぞれの姓を変えずに夫婦になることを認めるというものです。法律婚を保護するという点で現行法を変えるものではありません。

 いま現在も、選択的夫婦別姓が認められないために、結婚を先延ばししたり、出産をためらっている人、職場で通称ができないために苦しんでいる当事者も少なくありません。
 また、子どもは親を選んで生まれてくることはできません。常に大人の都合によって姓名を与えられ、それを自分のものと受けとめるしかありません。親の離婚・再婚によって何度も姓を変えさせられる子どももいます。家の継承のため、兄弟の中でただ一人、姓を変えさせられる子どももいます。児童虐待に遭った被害者が、加害者である親と同じ姓を名乗りたくないと、姓の変更を申し立てる場合もあります。
 なお、本意見書には「子どもの姓は夫婦のどちらかに統一され、その後の変更は認められない」とありますが、法制審議会の答申では、子どもが成年に達した後は、特別の事情がなくても、氏、名字を変更することができるとしており、子どもの権利、選択権の保障も考慮されています。民主党の法案においても、子の氏の変更は可能としており、本意見書は事実誤認に基づくものと指摘しておきます。
 さらに、本意見書では「最近行われた世論調査においても反対が賛成を上回っている」と述べていますが、この調査について事前に伺ったところ、インターネット上での二つの調査結果を示していただきました。一つは回答数がたったの861件で、男性60%、女性40%のもの、もう一つは、回答数がさらに少なく224件で、この件での賛否のほか、「民主党は左翼なので破壊することしか考えていない」という質問項目が設けられているものです。このようなデータをもって、世論とはいえません。内閣府が行っている世論調査では2001年以来賛成が反対を上回っており、特に30代女性では9割以上が法改正を望んでいます。

 社会の基本である家族関係が損なわれ、家族や地域コミュニティの関係性が希薄になっている現状をどのように回復していくのかは重要な課題です。しかし、すでに進行しているこれらの問題は、夫婦や親子が別の姓を名乗ることに起因するものではありません。

 そもそも男女を夫婦として扱う婚姻の成立要件に、同氏、同じ名字を規定しているのは、ほぼ日本だけです。昨年8月、国連女性差別撤廃委員会は日本政府に対し、民法の差別規定の撤廃はもちろん、世論調査を理由に法改正しないことについても厳しく勧告しました。民法改正については重大な懸念が表明され、2年後のフォローアップ制度の対象になっています。国際条約を無視している日本の態度が、国際社会における日本の立場にマイナスの影響を与えています。このことは日本の将来に大きな禍根を残すことにもなりかねません。
 以上、選択制夫婦別姓を柱とする民法改正については、推進を図ることこそ多様で豊かな民主的な社会構築に貢献するものであるとの意見を申し述べて、本意見書の反対討論とします。



 
2010年 第1回定例会(3月)
 ●上水さくら通りの遊歩道灯設置を求める陳情書
賛成17、反対6で採択しました
みどり・市民ネット /漢人 片山 田頭 青木 野見山 渡辺 × × × × × ○
共産党 /森戸 関根 水上 板倉  ○ ○ ○ ○
民主党・社民クラブ /村山 鈴木 武井 (宮崎…議長)  ○ ○ ○
公明党 /宮下 紀 小林 渡辺 ○ ○ ○ ○
自民党 /中根 露口 ○ ○
自民クラブ /遠藤 中山 ○ ○
改革連合 /篠原  
こがねい市民会議 /斉藤
★漢人は反対討論をしました

 22陳情第12号 上水さくら通りの遊歩道灯設置を求める陳情書に反対する討論を行います。
 本陳情書は、玉川上水に面した上水さくら通りについて、武蔵野市域と比較して小金井市域が暗いことから、その調査と遊歩道灯の設置を求めています。
 しかし、夜間の屋外照明は明るくすればよいというものではありません。
陳情者が示している武蔵野市域の遊歩道灯は、7〜8m置きに63基設置されており、静かな夜間の玉川上水には、あまりに過剰な眩しいほどの不快な光を放っています。

 環境省では、照明の不適切または過剰な使用による眩しさといった不快感や野生生物や農作物等への悪影響への対策の必要性から、屋外照明の適正化等により、良好な光環境の形成を図り地球温暖化防止に資することを目的に、1998年に「光害対策ガイドライン」を策定して、2006年にはその改訂を行っています。
 国際的にも2003年に国際照明委員会による「屋外照明による障害光抑制ガイド」が公表されるなど動きが加速しています。

 この間、安全・安心を掲げて、あちらでもこちらでも街灯の照度をアップしようという傾向があります。照度アップによる一時的な防犯効果はあるかもしれませんが、明るさで犯罪を抑制し不安を遠ざけようという短絡的な発想によって、夜の暗さを失っていくことになれば、それは、長い目で見れば、人の心の安静をも失っていくことにもつながります。

 夜間の屋外照明は必要最小限に押さえることが求められているのであり、本陳情の上水さくら通りにおいては、むしろ小金井市域にまで光害を及ぼしている武蔵野市域の過剰な照明の抑制を要請するべきです。

 建設環境委員会での本陳情審査の中では、担当課からも街灯の過剰な明るさに関して慎重な答弁があったことは評価しますが、自治体等の施策の活用のために作られた環境省の「光害対策ガイドライン」などは入手していないとのことでした。

 本来、夜は暗いものです。人間を含む動植物などの生態系に大きな影響を与えることになる夜間の屋外照明のあり方は、長期的、総合的な視点を持って慎重に検討し、判断していかなければなりません。今年は10月に名古屋で「生物多様性条約の締約国会議」が開催されます。光害の及ぼす生態系への影響について、ぜひお考えいただいて、未来世代にも責任の持てるご判断をいただきますよう切望して反対討論を終わります。



 
 
 ●職員定数条例の一部を改正する条例
賛成14、反対9で可決しました
みどり・市民ネット /漢人 片山 田頭 青木 野見山 渡辺 × × × × × ○
共産党 /森戸 関根 水上 板倉  × × × ×
民主党・社民クラブ /村山 鈴木 武井 (宮崎…議長)  ○ ○ ○
公明党 /宮下 紀 小林 渡辺 ○ ○ ○ ○
自民党 /中根 露口 ○ ○
自民クラブ /遠藤 中山 ○ ○
改革連合 /篠原  
こがねい市民会議 /斉藤
★漢人は反対討論をしました

 議案第14号 小金井市職員定数条例の一部を改正する条例への反対討論を行います。
 小金井市の職員定数は、私が市議会議員に初当選する直前の1997年3月議会で議員提案によって1136名から989名へと削減され、その後、同じく97年、99年、2001年、2002年と4回の条例改正を経て現在の833人となってから、今回は8年ぶりの削減条例の提案です。過去4回の条例改正は、全議員の賛成で成立しています。
 私も、これでよいのだろうかと疑問はありながらも、職員労働組合との調整を経た提案ということで、その労使合意を尊重するという立場をとってきました。

 しかし、1997年からの13年間、あるいは2002年からの8年間に日本社会は好ましくない方向へと大きく変わりました。
 全労働者に占める非正規雇用者の割合は3分の1を超え、女性については6割近くとなり、若年層にも増加しています。ワーキングプアーという状態も発生、昨年は政府から日本の貧困率は15.7%、およそ7人に一人が貧困であるという発表もなされました。この数値は相対的貧困率ですから「貧富の差」が拡大してきたと見ることができます。

 民間も公官庁もあらゆる事業所が、正規雇用職員の人数を減らすことで進めてきた「行革」の結果です。日本の社会保障制度は雇用とセットで成り立ってきましたから、非正規化することで一気に不安定な状態に陥ります。
 人件費を減らさなければならないのなら、正規雇用職員の人数を減らして格差を生み出すのではなく、限りある財源を分かち合うべきなのです。
 実践例として、広島電鉄の取り組みが注目されています。正規職員の報酬を減らし、非正規職員の正規化を進めることを、ここでは労働組合が主導して行っています。また、政府、日本経団連、連合などの政労使が、日本型ワークシェアリングの推進で合意してからちょうど一年になります。この24日に発表された郵政改革法案では、非正規社員10万人の正社員化をめざす方針が示されました。状況は少しずつではありますが、動いています。

 具体的に小金井市役所の状態を見ると、この13年間に正規職員を200人以上減らして、一方で非正規雇用・非常勤職員は約100人増の250人近くとなり、全職員数の3分の1強を占めるに至っています。
 正規職員を減らしてきた職場は、学校給食、庁内清掃、公民館、図書館、施設管理などで、仕事自体がなくなるわけではなく、低報酬・有期雇用の非常勤職員の導入や民間委託化をしてきました。民間委託先の事業所も、同じく多くの不安定な非正規雇用職員によって成り立っているのが現状です。
 全ての公共サービスについて誰が担うべきなのかを再検討することは必要ですが、その担い手によって働き方や社会保障の格差を発生させるべきではありません。直営か民間かの問題ではなく、雇用形態、働く人の安定した働き方や生活をどのように維持していくのかの問題です。
 非常勤制度の見直しも公契約条例も整っていない中では、現状以上の格差を生み貧困問題を深刻ささせていくことになる正規雇用職員の削減には賛成できませんので、本条例に反対します。



 
 
 ●2010年度一般会計予算
賛成13、反対10で可決しました
みどり・市民ネット /漢人 片山 田頭 青木 野見山 渡辺 × × × × × ×
共産党 /森戸 関根 水上 板倉  × × × ×
民主党・社民クラブ /村山 鈴木 武井 (宮崎…議長)  ○ ○ ○
公明党 /宮下 紀 小林 渡辺 ○ ○ ○ ○
自民党 /中根 露口 ○ ○
自民クラブ /遠藤 中山 ○ ○
改革連合 /篠原  
こがねい市民会議 /斉藤
★会派を代表して青木議員が反対討論をしました

みどり・市民ネットを代表いたしまして、議案第7号 2010年度小金井市一般会計予算に反対の立場から討論を行います。

 反対の理由の第1は、いわゆる「駅前ホール」、(仮称)市民交流センター購入関連経費が計上されていることです。駅前ロータリーの真正面の商業地は、再開発地区の中で最も地価が高く、このような場所に建設されるホールを購入することは大きな無駄遣いだと言わざるをえません。また、再開発事業の中で建設・購入するための制約から、文化ホールが578席しかない、中途半端な規模になっています。有名歌手を呼んだり演劇の公演をするには席数が少なすぎて採算が合わず、小中学校の合唱コンクールや成人式などの行事にも狭すぎて使えません。一方で、市民の発表の場とするには席数が多すぎます。さらに、このホールは、いったんオープンすれば、毎年2億3000万円の赤字を垂れ流すことが明らかで、苦しい市財政をさらに圧迫することになります。予算には附帯設備費も計上されていますが、再開発事業の施行者である都市再生機構は、金額の明細を隠蔽しています。予算を審査する市議会に明細も示さないなどは異常極まりありません。なお、駅前ホールを含む1の3街区の敷地は、複数の権利者の共有となっていますが、都市再生機構と小金井市は、自らの権利割合を超えて、民間の土地を「ただ取り」する計画を練っていることが明らかになりました。このような権利者の財産権を侵害する手法は姑息極まりなく、一切認められないとの意見を表明しておきます。

 反対の理由の第2は、将来にツケをまわす無理な予算編成方針により、予算総額が史上最高の413億5700万円に膨れ上がっている点です。その最大の要因は、最初に述べた市民交流センターの購入にあります。
 世界的な経済危機の中、市民税は前年度対比8億円も落ち込み、国から支給される税関連交付金の激しい落ち込みも合わせると、12億円もの歳入不足に陥っています。市は帳尻を合わせるために、赤字債である臨時財政対策債を限度額いっぱいの15億円まで借り入れ、長年にわたってせっかく21億円まで積み立てた財政調整基金を、その半分近い10億円も取り崩す予算編成をしています。その結果、代表的な財政指標である経常収支比率は、赤字債を歳入から除き、増大したごみ処理経費を歳出に加えて算出した実質的な数値で、過去最悪の112%を示すまでになってしまいました。市民交流センターを買い取った場合、今後予想される年間2億3,000万円を超える運営赤字ともあいまって、本予算は将来にわたって市民に大きな負担をかけ、市民サービスの低下を招き、財政破綻を招きよせるものになると予想されます。このような小金井市の身の丈に合わない過大な予算を認めることはできません。市長に対し、本予算を撤回し、健全な財政運営に基づく予算を編成し直すよう求めるものです。

 反対の理由の第3は、新庁舎建設についての市長の政治姿勢です。
 3月18日に開かれた庁舎建設特別委員会では、新庁舎基本構想市民検討委員会に提出される市の基本構想素案に、数々の問題があることが明らかになりました。その中でも最大の問題は、ジャノメ跡地に新庁舎を建てるケースとして示されている案のスケジュールが、竣工2016年度とされていることです。その主な理由は財源の問題だと説明されました。これでは、建設場所がジャノメ跡地に決定したとしても、リース庁舎の契約期間終了に間に合わず、賃借の3度目の契約更新をせざるを得なくなります。
 かつてジャノメ跡地を購入した時、当時の大久保市長は、「庁舎建設基金を40億円積み立てるのに10年かかるので、リース庁舎を仮庁舎として10年借りる」と説明しましたが、残る任期で基金を積み立てるどころか、相次ぐ取り崩しによってほとんどゼロ近くまで減らしてしまいました。
 あれから19年、稲葉市長のもとで提出された基本構想素案では、「基金を15億円積み立てるのに8年必要」だとしています。リース庁舎の契約が切れる2013年末までに新庁舎を建てる決意をしない限り、8年経っても10年経っても建設できないことは、すでに歴史が証明しているのではないでしょうか。
 市長の、新庁舎建設をまたも先送りし、リース庁舎を三度契約更新して借り続けようとしている姿勢は、絶対に容認できるものではありません。市長に対し、このような姿勢を改め、リース庁舎解消のために全力をあげるよう強く求めるものです。

 反対の理由の第4は、新ごみ処理施設建設に向けた取り組みの危うさです。
 小金井市民のごみを受け入れていただいている各地の焼却場関係者のみなさまにご負担をかける期間をできる限り短縮するためにも、来年度こそは、新ごみ処理施設の建設場所を決定し、処理方式を含む基本計画の検討をスタートさせなければなりません。そのための予算は提案されていますが、実行性には大きな不安があります。
 市長は新ごみ処理施設建設用地を二枚橋焼却場跡地とする行政決定を行おうとしていますが、周辺住民や調布市の了解を得るのはかなり困難な状況です。特に地元のみなさんからの反発は、この1年間住民への説明を一切してこなかったなどの市の対応に起因している要素も大きいと言わざるをえません。今後の誠実な対応を強く求めます。
 また、新ごみ処理施設の処理方式として、非焼却−燃やさない処理方式を導入することは、「次世代への責任」として必須であると重ねて申し上げておきます。
 さらに、広域支援でごみ処理をお願いしている現状を踏まえた抜本的なごみ減量も必要ですが、そのための施策や予算措置はまったく不十分です。すでに「ごみ処理施設建設等調査特別委員会」で全会一致で採択された「HDMシステム消滅型生ごみ処理施設によるごみ減量の実証実験」の実施に向けて早急に対応し補正予算措置をしていくことを求めます。

 反対の理由の第5は、充分な情報公開と話し合いのない行財政改革の進め方です。
 行財政システムを見直すことは、市民サービスを向上させるためにぜひとも必要なことです。しかし、2010年度より実施される第3次行革大綱に盛り込まれた学童保育所の民間委託に関し、行政からの突然の提案に、市側と利用者側が同じテーブルに付く学童保育所運営協議会が現在暗礁に乗り上げています。これを見ると、昨年の図書館民間委託化の挫折の経験が、何ら総括されていないと感じざるを得ません。学童保育の見直しを含め、今後様々な行財政改革の項目を進めるに当たっては、図書館問題での経験を充分に総括し、情報を公開し、市民に対する説明責任を果すことが必須条件であると考えます。それが果たせないのであれば、事業の民間委託化等のそもそもの必要性まで立ち戻って、行革大綱を見直すべきであるということを指摘しておきます。

 反対の理由の第6は、格差是正につながる子どもの教育や福祉への取り組みが薄いことです。
 全国的に子どもの貧困率が上昇している現在、子ども手当の支給だけではカバーしきれない貧困に直面している子どもたちへの支援が必要になっています。子ども手当の支給に伴う各控除などの廃止によって、子育て世帯にどのような影響があるのかを検証し、小金井市としてできる有効な格差是正策を打ち出すよう求めます。

 反対の理由の第7は、地権者の合意が得られていない道路の拡幅のための経費が計上されていることです。
 都道134号線(連雀通り)については、東大通りとのT字路付近のみを拡幅する計画があり、都市計画道路3・4・8号線については北大通りから富士見通りまでの区間を拡幅する計画が立てられています。地権者の合意が得られないかぎり、厳しい財政の中で、これらの事業は行うべきではないと考えます。
 以上、反対の理由を述べさせていただきました。

 本予算の中に、中東和平プロジェクトを引き継ぐ国際理解講座のための経費、貫井北町地域センター建設のための市民検討委員会設置による基本設計のための経費、学校給食への強化磁器食器の導入のための経費や備品購入費、フィフティフィフティ事業の全小中学校への拡大のための経費、などが計上されていることに関しては評価するところです。
 しかしながら、先に述べた理由により、本予算に反対いたします。議員各位のご賛同をお願いして、私の反対討論を終わります。



 
 
2009年 第4回定例会(12月)
 ●改正国籍法の厳格な制度運用を求める意見書
賛成5、反対18で否決しました
みどり・市民ネット /漢人 片山 田頭 青木 野見山 渡辺 × × × × × ×
共産党 /森戸 関根 水上 板倉  × × × ×
民主党・社民クラブ /村山 鈴木 武井 (宮崎…議長)  × × ×
公明党 /宮下 紀 小林 渡辺 × × × ×
自民党 /中根 露口 ○ ○
自民クラブ /遠藤 中山 ○ ○
改革連合 /篠原  
こがねい市民会議 /斉藤 ×
★漢人は反対討論をしました

 議員案第51号「改正国籍法の厳格な制度運用を求める意見書」に対して、みどり・市民ネットを代表して反対討論を行います。

 このような排外主義的、差別的な意見書が提案されること自体がとても残念です。
 意見書にも述べられているように、昨年12月の国籍法改正は、6月の最高裁判決を受けて当時の自民党・公明党政府が提案したものです。この最高裁の判決は、日本人の父親とフィリピン人の母親との間に生まれた8歳から14歳の子どもたち10人の日本国籍を求める訴えに対して、婚姻関係のない日本人の男性と外国人女性から生まれた子どもの日本国籍の取得を認めていなかった国籍法の規定が憲法14条の「法の下の平等」原則に反するという違憲判断をし、原告全員の日本国籍を認めたものです。「児童が出生によっていかなる差別も受けない」という国際人権B規約や子どもの権利に関する条約を引用した判決でした。
 この判決を受けて、国籍法の婚姻要件を削除するのは当然のことです。多くの国が父親の認知だけで国籍を付与しており、日本もやっと、遅ればせながら国籍法における婚外子差別を撤廃することになったわけです。
 父親が日本人なのに日本国籍を取得できない子どもは三万人にのぼるともいわれ、戸籍や住民票、健康保険などがないという差別を受け、基本的人権が脅かされてきました。この子どもたちの救済を最優先に考え、法案を提出した当時の自民党・公明党政府の判断を高く評価します。

 ところが、本意見書は、そのような実態や、最高裁判決と法改正の趣旨には一切触れていません。その一方で、婚外子差別を助長し多様なライフスタイルを否定する家族主義や、外国人を犯罪予備軍と見なし共生社会を否定する排外主義にもとづいて、偽装認知の防止をかざし、法改正の趣旨を実質的に全く否定する内容となっています。

 偽装認知を防ぐために、適正な審査を行うことは必要です。しかし、本意見書が求めるDNA鑑定や、認知した父親に虚偽でないかを確認する調査や罰則の強化は全く認めることができません。
 特にDNA鑑定は、究極の個人情報であり、人権侵害の恐れがあることが、昨年の参議院法務委員会での参考人質疑でも主張されています。DNA鑑定には多額の費用がかかり、父親から検体(検査材料)の入手が不可能な場合はどうするのか、検体のすり替えの危険性、鑑定の正確性の担保など、さまざまな問題があることを法務省も認めています。民法は日本国民の子の認知について、DNA鑑定を求めていませんが、本意見書の提案議員のお二人は、今後、親子であることの証明にはDNA鑑定が必要となるような監視国家を構想していらっしゃるのでしょうか。外国人を母親とする子どもを認知する場合にだけDNA鑑定を義務付けるとすれば、それは新たな差別を生むことにもなります。
 また、実際、子どもを設けておきながら認知をせず逃げてしまう日本人男性は多く、認知されないために、不利益を被る子どもたちは国内外に少なくありません。本意見書が求めているような厳格化がすすめば、これまで認知されていたケースでも、犯罪者扱いされることを恐れて認知されなくなるのではないかと危惧されています。

 日本人の子どもでありながら、認知されないまま無国籍となっている子どもたちの一人一人が一日も早く救済されることを望みます。今年3月、「子どもの権利条例」を、「権利」という言葉を復活させて修正可決・制定したばかりの小金井市議会で、このような意見書が提案されたこと自体が本当に残念だということを再度述べて、「改正国籍法の厳格な制度運用を求める意見書」への反対討論を終了します。



 
 
2009年 第3回定例会(9月)
 ●地球温暖化対策に逆行する高速道路無料化に反対する意見書
賛成18、反対4、退席1で可決しました
みどり・市民ネット /漢人 片山 田頭 青木 野見山 渡辺 ○ ○ ○ × × ○
共産党 /森戸 関根 水上 板倉  ◯ ◯ ○ ○
民主党・社民クラブ /村山 鈴木 武井 (宮崎…議長)  × × △
公明党 /宮下 紀 小林 渡辺 ○ ○ ○ ○
自民党 /中根 露口 ○ ○
自民クラブ /遠藤 中山 ○ ○
改革連合 /篠原  
こがねい市民会議 /斉藤
★漢人は賛成討論をしました

 議員案第44号地球温暖化対策に逆行する高速道路無料化に反対する意見書に、みどり・市民ネットの田頭、片山、漢人を代表して賛成討論をします。

 人々の通行の権利を保障する道路は、公共性の観点から無料が原則です。一般道路はコストがかかっていても無料です。一方、公共交通としての電車は有料です。しかも日本の料金は極めて高いレベルにあります。公共性としての道路使用のあり方、鉄道などの公共交通の衰退を促進しないために公共性の観点からの補助を行うなど、公共交通のあり方全体について、環境というもうひとつの公共性の観点も含めて社会的に合意することが必要です。

   高速道路の無料化を環境的観点から考えた場合、環境税・炭素税などで自動車の走行を抑制する政策が考えられます。高速道路が無料でも、長距離走行をすればするほどコストがかかれば、CO2の排出は抑制されるからです。
 現状の日本のガソリン税などのエネルギー税はヨーロッパと比較しても低く、道路特定財源の暫定税率について民主党政権は撤廃の方向です。この場合、エネルギー税がさらに低くなるため、ガソリン消費が増加することは確実です。
 民主党は環境税としての地球温暖化税を導入するとしていますが、どの程度の税額になるかが問題です。
 また、長距離走行にコストがかかるということは、物流の移動をできるだけ制約すべきであるという環境的視点から言えば妥当であり、また地域経済の自立・循環的観点からも促進すべきです。
 
 小金井市議会では、今年2月の定例議会で、温室効果ガス削減の2020年までの中期目標を1990年比30%とすることを含む気候保護法の制定を求める意見書を、全会一致で政府・国会に対して提出しています。また、今議会では、先程、12月に迫ったCOP15(国連気候変動枠組条約第15回締結国会議)にむけ、未来世代と世界に責任を持つ中期目標として、再度1990年比30%削減を掲げることを求める意見書を可決しました。今回は、2月に賛成されたのに反対された方もあり、全会一致とならなかったことは残念です。
 鳩山首相が、麻生政権を大きく上回る25%削減を、国連の場で表明したことは、国際的にも高く評価されています。この国際公約はもちろん、さらに高い数値目標を求める立場からも、地球温暖化対策に求められるに充分な環境税や地球温暖化税の実施の伴わない高速道路の無料化には反対するものです。
 加えて、財源の検討や公共事業の見直しを行い、将来的には高速道路無料化も展望した道路行政を期待しますが、充分な説明や情報公開もされていない現時点においては、拙速には無料化を進めるべきではない、という視点から、本意見書に賛成します。



 
 
2009年 第1回定例会(2月)
 ●小金井市子ども条例
全員賛成で可決しました
★漢人は賛成討論をしました

 「議案第60号小金井市子ども条例」に対する修正案に賛成し、残りの原案に賛成する討論を、みどりの風を代表して行います。

 紆余曲折はありましたが、本日、この小金井市議会本会議場でタイトルを「小金井市子どもの権利に関する条例」とし、第12条の「健全な成長」という、障害児とその保護者への配慮に欠けた表現を「健やかな成長」とする修正案と残りの原案へ賛成討論ができることを大変うれしく思います。同じ思いでこの瞬間を迎えているみなさんがたくさんいらっしゃいます。
 2003年9月から、市民参加の策定委員会・市民会議・子ども会議で検討された「子どもの権利条例」は、2006年3月の策定委員会の答申を受け、パブリックコメントが実施されましたが、その後、1年10か月もその結果が報告されないままに放置されるという異例の事態に陥りました。
 心配する市民からは多数の陳情が出されました。そして、昨年9月の第3回定例会の終盤、唐突ながら、やっと、条例案が議会に提出されました。しかしそれは、条例名に「権利」という言葉がない「小金井市子ども条例」であり、内容的にも、権利をうたいながら、「ただし」として、執拗にその濫用を制限する表現を多用し、具体的な市の取り組みとしての推進計画の策定や相談窓口の設置などの条項を削除したものでした。

 このような経過を経た条例ではありますが、評価できる点として、次のことが挙げられます。
 1番目に、第1条で「おとなと同じように子どもが権利の主体である」と述べて、国連「子どもの権利条約」の理念を小金井市でも広めようとしています。市の政策が、「子どもの最善の利益」に合わせて展開されることが期待されます。
 2番目に、この条例が子どもを含む多くの市民の参加によってつくられたことです。行政にお任せしてしまうのではなく、逆に行政が足りないところを市民が議会を巻き込んで、条例づくりが進められてきました。この経験は、条例の実施にあたっても引き継がれることが期待されます。
 3番目に、小金井市の中で「子ども」について真剣な議論がされたことです。おとなたちは子どもについて語るときに身勝手に「子どもはこうあるべき」と語ってしまいがちです。アンケートや子ども会議、パブリック・コメントなどで積極的に子どもたちの意見を求めて、子どもの実情から議論をしました。

 また、条例審査を付託された厚生文教委員会での質疑を通して、いくつかの不十分な点や心配される内容が解消されましたので、その主なものをこの場でも確認しておきます。
 ひとつは、パブリック・コメントに付された条例案にはあった「小金井市子どもの権利の日」が削除されたことです。「国連子どもの権利条約」とのつながりが弱くなるのではないかとの心配については、この条例は「国連子どもの権利条約」の理念に基づくものとの市長の答弁がありました。また、条例の普及については、5月の子ども週間のイベントを通した取り組みを行うことや、普及パンフレットを早急につくることなども確認されました。
 ふたつめとして、具体的な「子どもの権利に関する推進計画」の条項や「相談と救済の具体的な内容がなくなったことです。来年度策定される「のびゆく子どもプラン小金井」後期計画の策定のなかで、この権利条例ができたことを反映していくことや、今後の施策の検証や報告もなされることが確認されました。

 しかし、残念ながら、心配が解消されなかった内容もあります。
 第1に、第2条の「子ども」の範囲が「18歳未満の市民や市とかかわりを持っている人」と限定され、高校3年生の年代への配慮が不十分です。
 第2に、第3条に「また、自分の人権だけでなく、他者の人権についても正しく理解し互いの人権を尊重しなければなりません」とあり、第7条以下では「権利を使うことによって、他者の権利を侵すような行為を行なってはなりません」という文言を繰り返されていて、子どもの権利行使にブレーキにならないかと心配です。
 第3に、パブリック・コメントに付された案の第8条にあった「ありのままの自分が受け止められ」という文言が削除されていることです。自己肯定感の低い日本の子どもたちにぜひ伝えたい不可欠のメッセージです。
 第4に、第12条の、親等の「体罰」が抜けて「虐待」だけになっていることです。昨今、親の体罰から虐待に至る事件が多く起こっています。体罰は虐待のきっかけであるとともに、親等の懲戒権の濫用であることは判例でも明らかです。このような書き方で、児童虐待の予防につながるか、強く危惧します。
 心配が残るこれらの点については、今後も検証、見直しを求めます。

 この条例が、今後、より有効に実施されるためには、他地域も含むNPOや市民団体、研究者などとも連携しつつ、市民と行政が協働して、検証、行動していく必要があります。
 本日のこの「小金井市子どもの権利に関する条例」の成立は、小金井市における子ども施策の新たなスタートであることを確認し、賛成討論とします。



 
 
2008年 第4回定例会(12月)
 ●国民健康保険条例の一部を改正する条例(出産一時金値上げ)
全員賛成で可決しました
★漢人は問題点を指摘して賛成しました

 議案第67号小金井市国民健康保険条例の一部を改正する条例に対し、みどりの風を代表して討論を行います。
 今回の条例改正による出産一時金の増額は、来月2009年1月からスタートする産科医療補償制度の損害保険料の3万円に対応するものであり、妊産婦の負担増を避けるために賛成します。
 しかし、その産科医療補償制度については多くの問題点が指摘されているにもかかわらず、市としても、充分に内容を把握できない状態であることがわかりました。
 産科医療補償制度は産科医減少の要因の一つとされる障害児の出産に関わる訴訟リスクへの対応策として、医療機関の過失がなくても、分娩に関連して重度の脳性まひ児が生まれた場合に総額3000万円を民間保険で保障する制度です。分娩機関がお産1件につき3万円の掛金を運営機関である財団法人日本医療機能評価機構に支払い、民間保険に加入するというものです。

 主な問題点を指摘します。

1、この制度は厚生労働省の委託事業として、日本医療機能評価機構が準備室を作って制度設計に当たり、国会審議もなく十分な議論と審議の公開がなされていません。とくに障害当事者の参加がない中で作られたため、障害者からの視点に欠けた制度になっていることは大きな問題です。

2、紛争の防止・早期解決および産科医療の質の向上を図るための制度としながら、対象を出産時に発生する重度脳性まひだけに限っています。脳性まひだけに限る理由はありません。障害者の生きにくさは社会保障制度の不備が原因という側面も大きいにもかかわらず、「脳性まひ者が生まれたら大変」という無理解と差別が広がるのではないかと障害者から厳しい批判が出ています。

3、保険であるにもかかわらず、分娩機関や妊婦への加入意思の確認について不明確です。新たな装置の導入や事務量の増加など分娩機関には負担増の側面もあります。また、この制度が始まることで、産婦は胎児心拍数モニターによって心拍数をチェックしなければならなくなり、アクティブバースを目指してきた助産院や産婦さんにとっては、ほとんど動けないお産しかできなくなるなど、お産の選択肢を大きく制限することになります。

4、日本医療機能評価機構が運営し、民間損害保険会社6社の商品を使う仕組みですが、財務諸表が公開されず、国民の監視がいき届きません。年間の分娩数が約100万件とすると300億円が保険掛け金として損保会社に集まると考えられていますが、その内補償金として支払われない余剰金は、厚労省の試算でも60億円、100億から150億円にものぼるとも言われていますが、この行方が全く明らかにされていません。

5、医学が進んでも、脳性まひ者の発生率には変化がないそうですが、出産時の事故に起因する脳性まひかどうかを争う訴訟が新たに起こる可能性があります。また、現在の医療訴訟では賠償金が1億円を越える判決例もあり、準備一時金600万円をもらった後、制度で出される3000万円を越える賠償金を求める裁判も予想され、医療訴訟がなくなるとはいえません。

 以上のように、「障害観」への誤解を招きかねず、国の責任も棚上げするかに見えるこの制度を、きちんとした議論を経ずに施行しようとする政府の姿勢には大きな疑問を持たざるを得ません。
 産科医療への不安の解消のためには、医師の過酷な労働環境の改善、女性医師の就労支援、診療報酬の適正化、医師を助ける医療スタッフ体制の整備等々の医療改革が何よりも必要です。今回の産科医療保障制度では5年後の見直しがうたわれていますが、被害者の救済と真相究明・再発防止等、医療の安全と質の向上のために、市としても国に対して早急な改善を求めるべきであるとの意見を付して、賛成討論とします。



 
 
2008年 第2回定例会(6月)
 ●日本映画への字幕付与を求める意見書
賛成13 反対9 で可決しました
みどりの風 /野見山 青木 小山 渡辺 漢人 × × × × ×
自民党 /露口 伊藤 高木 中根 遠藤 ○ ○ ○ ○ ○
公明党 /和田 宮下 紀 鈴木 ○ ○ ○ ○
小金井市議会民主党 /小川 宮崎 村山 × × ×
共産党 /森戸 関根 水上 板倉(忌引き)  ◯ ◯ ○
改革連合 /五十嵐 (篠原…議長)  
民主党こがねい市民会議  /斉藤 ×
★漢人は反対討論をしました

 議員案第24号「日本映画への字幕付与を求める意見書」に対する反対討論を、みどりの風を代表して行います。
 本意見書が求めるユニバーサル社会をめざすことには大賛成です。社会の様々な場面でのバリアフリー化は進めなければなりません。特に公共機関が発する情報や、公共的施設・交通機関へのアクセスは人権にかかわる問題ですし、「情報バリアフリー」の推進も当然です。
 娯楽や芸術についても製作者や表現者の理解による工夫や努力は求めるべきです。そして、思いを持った時に実行に移せるような、財政面をはじめとした政府や企業の支援も必要です。
 しかし、製作者や表現者の意志を超えた義務づけや強制は行うべきではありません。
 本意見書が対象とする映画は、映像、台詞、音楽など様々な要素による総合作品ですから、バリアフリーといっても、単に字幕をつけることだけではない判断が必要です。
 また、字幕をつける作業には大変な労力や経費が伴います。
聴覚障害のある方にも楽しんでいただくために、製作者が作品に字幕をつけたいと希望しても、あるいは、映画館が観客ごとに音量を選択できるような設備を備えたいと希望しても、多くの場合は財政的に困難だというのが現状ではないでしょうか。
 最近はミニシアターも増え、製作・公開される作品は増えています。本意見書はこのような様々なドキュメンタリー作品や、自主制作作品の存在など、現状を踏まえた提案とは思えません。仮に全ての映画への字幕付与が義務づけられれば、ほんの一握りの作品以外は違法状態に追い込まれることは確実です。

 会派の渡辺議員が社団法人「映画産業団体連合会」に問い合わせたところ、大変ていねいな回答をいただきました。この連合会は、松竹株式会社、東宝株式会社、東映株式会社、角川映画株式会社の4社の映画の製作と配給を行っている映画業界団体です。 この回答の概要をご紹介します。

 この4社では、適宜、聴覚障害者向けの日本語字幕付与を行ってきた。日本全国で公開する上映用プリントのうち数本に字幕を作成し、これらのプリントを全国を巡回させて上映している。字幕付プリントによる上映スケジュールは、公開日前日の新聞(夕刊)等に掲載する他、4社のホームページにも詳細に記載することで、広報し、利用者の便宜を図っている。昨年度の字幕付での上映の実績は、年間約400作品の劇場公開された日本映画のうち、4社が製作・公開した約70作品のうち、ファミリー向け作品や人気作品を中心に、約30作品について、1作品あたり約10〜40館で上映した。
 上映用プリントへの字幕付与は、字幕の製作・プリントへの字幕焼付け等の作業に時間を要するため、作品の完成から公開までの期間の短い作品については字幕プリントを製作する時間的猶予がなく、社会的影響力が大きく、多くの観客に迎えられると思われる作品を中心に行っている。
 字幕付プリントの製作は各社の費用負担で行っている。
映画館での上映終了後にリリースされるDVDにも字幕付与している。
 旧作は、約20年にわたり、社会福祉法人聴力障害者情報文化センターと契約を締結し、字幕付ビデオを作成してきた。

 以上です。業界でも一定の努力が行われていることが判ります。
 このような現状も踏まえ、本意見書でも3項目目で求めている、国による財政的支援措置を早急に講じることこそが必要だと考えます。安易な字幕付与の義務づけは、表現の自由を侵害することになり、私たちが求めるユニバーサル社会にはそぐわないものだということを訴え、本意見書へのみなさんの慎重な判断を求めます。



 
 
2008年 第1回定例会(3月)
 ●道路特定財源の一般財源化及び道路関係諸税の暫定税率廃止等を求める意見書
賛成13 反対10 で可決しました
みどりの風 /野見山 青木 小山 渡辺 漢人 ◯ ◯ ○ ◯ ○
自民党 /露口 伊藤 高木 中根 遠藤 × × × × ×
公明党 /和田 宮下 紀 鈴木 × × × ×
小金井市議会民主党 /小川 宮崎 村山 ○ ○ ○
共産党 /森戸 板倉 関根 水上  ◯ ◯ ○ ◯
改革連合 /五十嵐 (篠原…議長)  ×
民主党こがねい市民会議  /斉藤
★漢人は賛成討論をしました

 「議員案7号 道路特定財源の一般財源化及び道路関係諸税の暫定税率廃止等を求める意見書」への賛成討論を行います。
 すでに、道路を中心とした公共事業のあり方は見直すべきと多くの人が考えていることは各種世論調査でも明らかになっています。道路特定財源は廃止し、使いたいところに使えるように一般財源化すべきです。地域の実情にあった生活道路も含めて、福祉、教育などほんとうに必要な優先したい使い道を各自治体が判断できる配分を含む一般財源化は地方分権の考え方からいっても当然のことです。また、クルマ依存を脱し、鉄道、路面電車、バスなど公共交通機関を活用したまちづくりへと都市計画の方向を変えていくことも必要です。
 しかし、残念ながら、本意見書では「昨今のガソリン・灯油等の価格急騰による国民生活への影響緩和のために効果がある」として暫定税率廃止を求めていることについては賛成できません。その効果は一時的・表面的なものでしかありません。
 真に国民生活を考えるのであれば、深刻な影響が着実に大きくなっている地球温暖化の防止をはじめとした環境保全のための税制税率の検討こそが緊急課題です。 世界が脱石油社会に向かうなかで、ガソリンを値下げしている国はないようです。すでに日本のガソリン価格は課税分を含めても他の先進国よりもかなり低い現状にあります。国立環境研究所は、暫定税率廃止による逆向きの価格インセンティブ効果によって、京都議定書第1約束期間の2008年から12年の短期の平均では800万トン程度、長期には2400万トンものCO2排出増になると試算しています。暫定税率の廃止でガソリン代が安くなることを歓迎するよりも、それに相当する税額以上の炭素税・環境税や自動車の「社会的費用負担税」の導入など、有効なエネルギー税制へと早急に改革することが求められています。
 また、すでに炭素税を導入しているヨーロッパでは、その税収を所得税や社会保険税の減額に活用しています。環境税によって、環境への悪影響となる活動を課税によって抑制し、その税収で環境対策や経済・雇用活性化、社会福祉などセーフティーネットの充実を図ることができるわけです。
 昨年12月の国連バリ会議では、バリロードマップ、気候変動枠組条約締約国会議では、バリ行動計画が採択され、アメリカを含む交渉の場がスタートし、合わせて行われた京都議定書締約国会議では、2020年までに1990年比で25〜40%の温室効果ガス削減が合意されました。
 京都議定書の目標達成も危うい状態にある日本が、7月洞爺湖サミットの議長国としての責任を果たし、この新たな総量規制を達成しようとするならば、環境税と国内排出権取引制度の緊急整備・導入は欠かせません。
 本意見書では地球温暖化防止の観点から化石燃料の使用によるCO2排出の抑制の必要性から、「かけがえのない地球を守るための税制」の新設にも言及していることを高く評価し、賛成討論とします。



 
 
2007年 第3回定例会(9月)
 ●六ヶ所再処理工場の本格稼働の中止を求める意見書
賛成10 反対10 退席3 可否同数のため議長裁決で否決
みどりの風 /野見山 青木 小山 渡辺 漢人 ◯ ◯ ○ ◯ ○
自民党 /露口 伊藤 高木 中根 遠藤 △ × × × ×
公明党 /和田 宮下 紀 鈴木 × × × ×
小金井市議会民主党 /小川 宮崎 村山 × △ △
共産党 /森戸 板倉 関根 水上  ◯ ◯ ○ ◯
改革連合 /五十嵐 (篠原…議長)  × (×)
民主党こがねい市民会議  /斉藤
★漢人は会派を代表して賛成討論をしました

 議員案第30号 六ヶ所核燃料再処理工場の本格稼働中止を求める意見書への賛成討論をみどりの風を代表して行います。
 放射能災害の危険性、放射性廃棄物のあと始末のやっかいさ、核兵器への転用のおそれなど、多くの問題を抱えた原子力発電所はできるだけ早く廃止される必要があります。 そして、その原発の使用済み燃料を再処理し、プルトニウムを取り出して使用する核燃料サイクル計画は問題をより複雑にし、危険性を大きくするだけです。

 すでに再処理工場が30年以上運転されているヨーロッパからは、膨大な放射能放出による環境汚染、人体への影響が報告されています。フランスのラアーグ再処理工場周辺では、小児白血病の発症率がフランス平均の約3倍にのぼるというレポートが発表され、再処理工場の運転や放射能放出を規制する動きが出ています。イギリスのセラフィールド再処理工場からの放射能によって汚染されたアイリッシュ海をめぐっては、対岸のアイルランド政府がイギリス政府を訴える事態に発展しています。ヨーロッパ西部の多くの国の政府は、これ以上の放射能汚染を防ぐために英・仏の再処理工場の運転を停止するよう求めています。 青森県でも六ヶ所再処理工場周辺での環境汚染および人体への影響が懸念され、1999年から「青森県小児ガン等のガン調査」が実施されています。

 一方、プルトニウムを燃料とする高速増殖炉もんじゅは、1995年に大事故を起こしいまだに停止中です。来年5月の運転再開をめざしているようですが、中越沖地震による柏崎刈羽原発の被災によって明らかになった「原発震災」の現実に、地震に弱い構造のもんじゅの見直しは避けられない状況です。
 さらに、普通の原発でプルトニウムを利用するプルサーマルが福井県高浜原発、福島県福島第一原発、新潟県柏崎刈羽原発で計画されましたが、ウラン燃料のための原発でプルトニウム燃料を利用する危険性への不安などから、それぞれの地元では反対の声が強く計画がストップした状態が続いています。柏崎刈羽原発はこのまま廃炉になる可能性もでています。
 つまり、プルトニウムの利用はまったく進んでいないのです。新たに六ヶ所再処理工場を建設する必要性はまったくありません。
 
 ところが、このような原子力政策を推し進める予算が現在価値で毎年5000億円が約50年間続いてきました。累計で25兆円が補助されたことになります。この25兆円を50年にわたって自然エネルギーに補助していたなら、とっくに自然エネルギーの方が使えるものになっていたはずです。
 地球温暖化防止のためにCO2の削減が求められていますが、燃料製造過程、処理過程でのCO2発生もある原発の推進ではこの削減はできません。エネルギーの浪費を減らすことこそがCO2 削減の途であり、自然エネルギーの利用は、消費の削減につながるエネルギー生産技術として、大きな意味を持ちます。
 愚かしい命がけの原子力発電はもうやめて、人と自然が生き続けられる経済的で持続可能な自然エネルギーに変えていくことが必要です。

 原子力発電で一度燃やした核燃料の中から、プルトニウムを取り出し再び核燃料として利用する「核燃料サイクル政策」を進めるために作られた六ヶ所村の再処理工場に将来の見通しは全くなく、あるのは核兵器への転用のおそれと取り返しのつかない環境汚染です。
 六ヶ所村核燃料再処理工場の本格稼働中止を求める意見書へのみなさまのご賛同をお願いします。



 
 
2006年 第3回定例会(9月)
 ●一般会計補正予算(第2回)
賛成14 反対9 で可決
みどりの風 /野見山 青木 小山 渡辺 漢人 × × × × ×
自民党 /露口 伊藤 高木 中根 遠藤 ◯ ◯ ○ ◯ ○
公明党 /和田 宮下 紀 (鈴木…議長) ◯ ○ ○
民主党 /小川 斎藤 宮崎 村山 ◯ ◯ ○ ○
共産党 /森戸 板倉 関根 水上  × × × ×
改革連合 /篠原 五十嵐  ◯ ◯
★漢人は反対討論をしました

 みどりの風を代表して、議案第55号一般会計補正予算第2回に対する反対討論を行います。
 反対の理由は二つです。

 第一に、新たなごみ焼却施設に関する市民検討委員会の予算措置がされていないことです。
 8月18日づけで稲葉市長と国分寺市長との間で可燃ごみの処理に関する覚書が交わされ、議会に対しては今定例会中の建設環境委員会で報告されました。その覚書には「小金井市長は、平成19年4月1日以降の広域支援が円滑に進むように、可燃ごみの共同処理に向けて、平成19年2月までに新焼却場(平成29年度稼動予定)の建設場所に関すること及び建設へのスケジュールを含めて、一定の方向を国分寺市長に示すものとする」とあります。
 この解釈について、今議会の一般質問、建設環境委員会、予算特別委員会での市の答弁は「覚書の文面通り」と繰り返しながら、「2月には新焼却場の建設予定地は示さない。建設場所に関することも含めた建設スケジュールを示す。新焼却場に関する市民検討委員会設置についてもそのスケジュールの中で示す」というものでした。

 一方、私たちの得ている情報では、国分寺市当局や国分寺市民、特に焼却場周辺のみなさんは、この覚書によって「2月には新焼却場の複数の建設候補地が示される」と受けとめており、今議会での小金井市当局の答弁に不信感を募らせているとのことです。
 しかし、実際問題として、2月までに新焼却場の建設予定地を決めることは不可能ですし、また、複数であってもその候補地を市が一方的に発表することは市民参加条例に反するばかりか、あげられた地域の住民との取り返しのつかない溝を作ることになります。

 いま、小金井市が行うべきなのは、小金井市民への情報公開と説明責任を果たす市民検討委員会を早急に設置することです。それが国分寺市ことに焼却場周辺の住民のみなさんに小金井市として示すべき誠意ある姿勢です。そして、この検討においては、単に焼却場をどこに作るかということではなく、可燃ごみ減量の見通しや、焼却以外の処理方法の検討など、国分寺市も含む市民全体の課題としていくことが必要です。
 みどりの風では、市長に対して、この9月議会で市民参加による焼却場問題の検討委員会を設置する予算の提案を申し入れています。現在の小金井市の最大緊急課題である可燃ごみ処理問題に関わる重要予算が計上されていない補正予算を認めることはできません。

 反対の理由の第二は、小中学校の防犯カメラ設置です。東京都が半額補助をしてすすめているもので、学校や保護者からの要望の高いものではあります。

 昨日の東京新聞で、治安悪化説に異論という特集の中で「治安は悪化しているのか」という本を書いた元東京都治安対策担当部長のインタビューが掲載されていました。少年による凶悪犯罪が増えるなど日本の「治安悪化説」への疑問とそれに基づいて進められている行政施策の問題点を指摘するものです。その中に次の文章がありました。
 「政策には必ず光と影の部分がある。政策を担うものは光と同時に影の部分も自覚し、その政策の当否を判断しないといけない。そこに公的な力の自制が生まれる。しかし、こと『治安』については、そうした配慮は一顧だにされない。まるで何かの強迫観念に取りつかれているかのようだ」
 この治安を防犯に置き換えても同じことが言えます。

 防犯カメラにも学校への不審者進入を防ぐ抑止効果はあるかもしれませんが、監視社会化という影の部分もあります。当座の子どもの安全にはつながるかもしれませんが、そもそも子どもが育つ環境として好ましくありません。また抑止力については、監視カメラ社会のイギリスではすでに抑止力はないという報告もされており、一時的な効果でしかないようです。防犯カメラに依存するのではなく、学校や地域全体で子ども達を見守ることこそ最大の抑止力になると考えるものです。
 行政による個人情報の収集のルールがなし崩しになることも心配です。
 防犯カメラの効果や運用状況、影響については、一定期間での検証を行うなど、慎重に対応することを強く求めます。
 以上の理由により、みどりの風は本補正予算に反対いたします。


 
 ●2005年度一般会計決算の認定
賛成 14  反対 9 で認定
みどりの風 /野見山 青木 小山 渡辺 漢人 × × × × ×
自民党 /露口 伊藤 高木 中根 遠藤 ◯ ◯ ○ ○ ○
公明党 /和田 宮下 紀 (鈴木…議長) ◯ ○ ○
民主党 /小川 斎藤 宮崎 村山 ◯ ◯ ○ ○
共産党 /森戸 板倉 関根 水上  × × × ×
改革連合 /篠原 五十嵐  ◯ ◯

★みどりの風を代表して野見山さんが討論をしました

 「みどりの風」を代表して2005年度一般会計決算の認定に反対する討論を行います。

 反対する理由の第1は、税収をはるかに超えて、財政規模を膨らましていることです。2006年度一般会計決算は約343億円と13年ぶりの規模となりました。武蔵小金井駅南口再開発事業に本格投資を行った結果、財政規模が膨れ上がり、税収規模を上回る歳出のため、37億円もの借金に頼らざるをなくなっています。その結果、累積債務は過去最高の267億円に達しました。

 反対する理由の第2は、減税補てん債や臨時財政対策債頼みの財政運営を行っていることです。臨時財政対策債は地方交付税の代わりに税収不足分を補うものであり、当該年度のサービスの財源に当てる目的のものです。しかし、実際には2005年度の実質収支として翌年度の基金積み立てにまわすなど本来の目的と違背しており、むしろ当該年度の赤字債である臨時財政対策債の発行を抑えることが必要です。

 反対する理由の第3は会計規模に対する民生費の構成が近隣市・類似市より大幅に少ないことです。小金井市の民生費は歳出の30%前後で推移してきました。そしてその理由を生活保護費が低いことによると説明してきましたが、今回提出された資料によってそのことが否定されました生活保護費を除く民生費を比べると財政構造が似ている類似市にも引き離されています。格差が拡大する社会にあって、格差是正の為の民生費を増やすことは必要であり、これまで近隣市中最低の難病者手当ての引き上げや介護保険利用料助成の拡大、障害者福祉サービス利用料の助成、子育て支援事業の拡大などに財政出動し、せめて近隣市類似市平均まで持っていくことが求められています。

 反対する理由の第4は武蔵小金井駅南口再開発の事業計画・権利変換計画が地権者の十分な合意なく、強行されていることです。当該地権者の同意なく勝手に、東京都駐車場条例上も疑義のある5階建てビルがあてがわれたり、市道の認定が行われたりする手法は稲葉市長のまちづくりの基本的姿勢が現れています。また、都市計画法上疑義のある壁面の位置の制限や「1―2街区」と「1―3街区」の土地の価格差の逆転現象の理由や根拠について、説明責任を果たしていません。これらの結果として来年3月までに着工できるかどうか不透明な状況となっています。

 反対する理由の第5は、小金井市役所が模範を示すべき環境対策ができていないことです。地球温暖化防止対策として、行政が当然行うべきCO2削減は昨年度より進まないどころか増加しています。また、大規模事業所としての市役所のごみは削減されるどころか、現状把握すら充分にできていないうえ、唯一把握されている第2庁舎では、逆に前年度の1.5倍の排出量となっています。「まず、隗より始めよ」という孔子の言葉は今も生きており、今年度の結果が大幅削減となるように、すぐに対応すべきです。

 反対する理由の第6は、NPO支援の体制が不十分なことです。決算審査を通じて、小金井市各課からのNPOへの業務委託や補助金自体を、市民文化課がこれまで把握していなかったことが明らかになりました。NPO支援施策は、市民文化課の数多くの業務の一つとしてしか位置づけられておらず、決算額もきわめて小額しかありません。NPOが市政に果たす役割が大きくなっている昨今、NPO支援施策に意欲ある職員の力が充分発揮できる体制こそ求められているのではないでしょうか。

 最後に、反対する理由第7は、市長は武蔵小金井駅南口再開発問題の強行に全力を傾注した結果、ごみ焼却場問題への対応が後手後手になっていることです。小金井市がどのようなごみ処理を行っていくかのスキームや、リサイクル作業所、ストックヤード、中間処理場をはじめとするごみ処理施設の配置の整理などを抜きにごみ焼却場の問題は語れません。また、ジャノメ跡地に置かれている施設の整理の見通しも立たない中で、中間処理場を10年間の改修のみとしたことは後年への課題の先送りにしかならないと考えます。

 未だに来年4月からの燃やすごみの受け入れ先が決まらず、10月1日付けでごみ非常事態宣言を行うこととなった現在の事態の原因は、2005年度における対応の不充分にあったということを強く指摘して、反対討論とします。


 
 
2006年 第2回定例会(6月)
 ●第31回オリンピック競技大会の東京招致に関する決議
賛成15 反対8 で可決
みどりの風 /野見山 青木 小山 渡辺 漢人 × × × ○ ×
自民党 /露口 伊藤 高木 中根 遠藤 ◯ ◯ ○ ◯ ○
公明党 /和田 宮下 紀 (鈴木…議長) ◯ ○ ○
民主党 /小川 斎藤 宮崎 村山 ◯ ◯ ○ ○
共産党 /森戸 板倉 関根 水上  × × × ×
改革連合 /篠原 五十嵐  ◯ ◯
★漢人は反対討論をしました

 オリンピックのそもそもの起源は、世界各地の人々がスポーツを通じて交流する「平和の祭典」です。国を背負うこともなく、各地域からの代表が技を競うオリンピックそのものに反対するものではありません。
 しかし、残念ながら現実のオリンピックは平和には反する国威発揚や、環境破壊をも招く大型開発や土木事業を伴う計画などに利用されてきました。

 今回の東京オリンピック招致ではその悪しき側面が大いに危惧されるため、本決議には反対します。

 反対の理由の第1は情報公開、市民参加の経過が全く不十分ということです。昨年の石原知事の突然の発言により、東京オリンピック基本構想懇談会を設置し、2月に報告を発表していますが、市民は東京都のホームページでのこれらの抽象的な情報しか得ることができません。付随する開発計画による環境負荷や財政問題なども含めて、市民が招致の是非を判断できるような情報も、そして判断への市民参加もないなかで、国内候補に立候補してしまうこと自体が大きな問題です。

 第2の理由は、招致の目的です。
 決議文には「世界平和を希求する強い思いを世界にアピールするとともに、これまで培ってきた独自の伝統・文化や先端的な技術・産業を世界に発信し、環境にやさしく豊で安全な成熟した都市東京の巣柄を全世界に示す絶好の機会となる」とありますが、この間の石原知事の発言や2月の「東京オリンピック基本構想懇談会」の報告などからは、オリンピック招致によるさらなる経済成長を求め、再び経済大国としての日本を世界に誇示しようというものです。また、日本人としての精神のあり方にまで言及していることから、この間の教育基本法に愛国心が導入されようとしている現状や、ことに東京都においては学校行事における「日の丸・君が代」の異常な強制がまかり通っている状況では、オリンピック招致、開催により、思想・信条、内心の自由を侵すような傾向が一層加速されることも大いに危惧されます。

 第3の理由はオリンピック招致に伴う開発計画による環境負荷や財政問題です。
決議文ではこの問題には全く触れられていませんが、この間の石原知事の発言や懇談会報告から、東京オリンピック招致にむけた大型開発の促進により、都民の生活と都の財政に深刻な影響を及ぼすことが明らかです。
 10年後のオリンピック開催にむけて具体的にあげられているのは
・幹線道路ネットワークなどの広域的な交通基盤の集中的な整備として、具体的には圏央道、外環道などそれぞれ住民の反対も多い三環状道路をはじめとする骨格的な道路整備
・羽田空港の再拡張・国際化、横田基地の軍民共用化による空のアクセスの拡充
・世界に誇れる都市空間の創出
・臨海副都心の開発の強化  などです。
 このような巨大な開発と一体となったオリンピックでは、都財政への影響の点でも、環境への負荷の点でも、コンパクトにほど遠いものと言わざるをえず、人口減少社会における都財政運営のあり方、地球規模での持続可能は社会のあり方にも反するものです。

 以上の理由により、本決議には反対します。


 
 ●人件件費削減のため、職員互助会への交付金を、職員負担と同額にまで引き下げることを求める陳情書
賛成 18  退席 4  反対 1 で採択
みどりの風 /野見山 青木 小山 渡辺 漢人 ○ ○ ○ ○ ×
自民党 /露口 伊藤 高木 中根 遠藤 ◯ ◯ ○ ○ ○
公明党 /和田 宮下 紀 (鈴木…議長) ◯ ○ ○
民主党 /小川 斎藤 宮崎 村山 ◯ ◯ ○ ○
共産党 /森戸 板倉 関根 水上  △ △ △ △
改革連合 /篠原 五十嵐  ◯ ◯

★漢人は討論をしました

 18陳情第9号「人件件費削減のため、職員互助会への交付金を、職員負担と同額にまで引き下げることを求める陳情書」への反対討論を行います。
 反対の理由は3つです。

 第1に雇用者としての市の労働者である職員への総合的な福利厚生問題として、市民にわかりやすく明確にすること、そしてその中の一つとしての互助会への市の負担として整理するべきです。
 大阪市の実態が明らかになり、互助会のあり方が注目されいるところであり、これは当然のことです。また、負担率という考え方も一つのバロメーターとはなりますが、問題もあります。例えば、高い給料をもらっていて、互助会費を高く設定すれば、雇用者の負担も高くなることになり、適正な福利厚生への市の負担という考え方にはそぐわないものになります。
 職員一人ひとりに対して、総合的にどのような福利厚生が必要で、そのために市がどのような基準でいくら支出するのかを明確に示すことができるような整備こそ必要です。

 反対の第2の理由は、非常勤嘱託職員との格差の問題です。
この間、市では正規職員を減らし、非常勤職員を大幅に増やしてきた結果、全職員の4分の1を占めています。地方公務員法にもパート労働法にも守られないとても不安定な存在です。
 非常勤職員は互助会では準会員で、負担はありませんが利用制限もあります。福利厚生とは給与以外で労働意欲をかき立てることが目的であるのに、同じ職場で同じような仕事をしていながら慶弔費が出なかったり、利用できる保養所が限られていたり、共済主催行事への参加補助がなかったりという状態です。安易な引き下げを進めることでさらに非常勤職員へのしわ寄せがされていくのではないかと心配です。市には雇用モデルを示すべき自治体としての公的責任があり、低いところをめざした平準化には反対です。
 非常勤職員の声も反映した見直しが必要です。

 第3に労使合意を尊重するのは当然です。短絡的な負担率の調整ではなく、総合的な見直しにむけた市の労使交渉も含めた積極的な取り組みを求めます。
 以上、互助会負担率のみを問題とし、さらに労使の合意と異なる内容でありながら来年度からの拙速な対応を求める本陳情には反対します。


 
 
2006年 第1回定例会(3月)
 ●国民保護協議会条例
賛成14 反対9 で可決
みどりの風 /野見山 青木 小山 渡辺 漢人 × × × × ×
自民党 /露口 伊藤 高木 中根 遠藤 ◯ ◯ ○ ◯ ○
公明党 /和田 宮下 紀 (鈴木…議長) ◯ ○ ○
民主党 /小川 斎藤 宮崎 村山 ◯ ◯ ○ ○
共産党 /森戸 板倉 関根 水上  × × × ×
改革連合 /篠原 五十嵐  ◯ ◯
★漢人は会派を代表して反対討論をしました

 議案第32号「国民保護協議会条例」に対し、みどりの風を代表して反対討論を行います。
 本条例は有事関連法の一つである武力攻撃事態対処法に含まれる国民保護法に基づいて国民保護計画を策定するために、協議会を設置しようというものです。
 私たちは国民保護計画の策定そのものと、市の姿勢に対して反対するものであり、その理由を4つ述べます。

 第1に国民保護計画自体の必要性が低いことを指摘します。
 この計画は、海外からの武力攻撃や大規模なテロなどが発生した場合に、国の方針に基づき、都道府県が、国、区市町村関係機関等と連携・協力して、迅速・的確に住民の避難や救援を行うことができるように、あらかじめ定めておくもの、ということになっています。
 しかし、具体的に想定される着上陸侵攻、航空機による攻撃、弾道ミサイル攻撃、ゲリラや特殊部隊による攻撃という4つの武力攻撃事態については、2004年の防衛大綱では、「見通しうる将来、我が国に対する本格的な侵略事態が起こる可能性は低下している」とされているなど、現実性が低いことは明らかです。また、鳥取県が行った図上訓練では避難計画の非現実性が明らかになっています。
 貴重な職員の時間と労力、さらに税金を当てて取り組む必要性は認められません。

 第2に人権軽視、弱者や外国人への差別が助長されることが危惧されます。
法第9条に「国民の保護のための措置を実施するに当たっては、高齢者、障害者その他特に配慮を要する者の保護について留意しなければならない」とありますが、具体的な対応は示されていません。
 また、武力攻撃を想定するということは、想定の仕方によっては特定の外国人あるいは外国人全てが仮想敵国人となるということです。これまでも、事あるごとに在日朝鮮人の民族学校の生徒への暴行事件や、イスラム系外国人への排斥などが起きているという現実をふまえた慎重かつ具体的な対応もありません。
 さらに、避難訓練などへの住民や職員の参加が強制されたり、監視されるような人権侵害も危惧されます。

 第3に「国民保護」と謳いながら、実はそもそも真面目に「保護」など考えられていないことを指摘します。  第一次世界大戦で民間人の死者の割合は全体の中で5%でした。それが第二次大戦で48%に跳ね上がり、朝鮮戦争で84%、ベトナム戦争では95%に達しました。イラク戦争でも多くの民間人が犠牲になっています。これら2つの大戦と戦後の世界各地で起こった紛争の経験に基づいて、一般市民を守るために策定されたのが、ジュネーブ条約などの戦時国際人道法です。
 国民保護法では、「国際人道法」を「的確に実施する」旨が規定されています。しかし実際には、保護法や保護計画の中で、国際人道法の具体的な規定については、ほとんど反映されていないどころか、むしろ国際人道法の精神に反するものになっています。
 文民保護の専門家である日本赤十字社の戦時国際人道法担当者の指摘をご紹介します。
 「自衛隊に住民等の避難への協力を求める動きが各自治体で見られるが、こうした考え方は国際人道法の基本原則に反する疑いがある。人道法の基本原則は、軍隊や軍事施設と文民・民間施設とを明確に区別し、文民や民間施設を軍事攻撃の巻き添えから防ぐことにある。したがって、軍の輸送車輌等で文民を避難させることなどは攻撃の巻き添えになる危険があり、これが平時の自衛隊の災害派遣との大きな違いだ。自衛隊による住民保護を念頭に置かれている自治体の関係者の方々には、この点を配慮願いたい。」と言うものです。小金井市でも国の指示通りに協議会委員に自衛隊員を入れる意向が示されていますが、この点は十分に留意すべきです。
 また、ジュネーブ条約ではさらに、「傷病者、老人、児童、妊産婦」などを戦争の影響から保護するための「安全地帯」、文民などを戦争の危険から避難させるための「中立地帯」、「戦争孤児や離散児童の保護や中立国への収容」、「無防備地域」など、文民を保護するための多岐にわたる具体的な規定が定められています。「有事」における真の「国民保護」を具体的に考える上で、最も重要な参考材料になるはずのものです。しかし、国の保護法にも都の保護計画にも、戦時に特有なこれらの課題に対処するための規定に対応した具体的な条項はありません。
 憲法は、国際条約などの誠実な遵守を謳っていますし、ジュネーブ条約においても、各締約国が軍事・非軍事教育においてこの条約の理念を広く普及し周知させる義務を謳っていますが、政府はそのような周知・教育を行ってはいません。
 有事における「国民保護」を想定するなら、当然行うべきことも、法や計画に含まれるべきことも欠如しています。むしろ政府の目的は国民保護ではなく別の所にあると考えざるをえません。

 最後に指摘したいのは、国の示すひな形通りの策定を行おうという市の姿勢です。 すでに述べた理由から、市は「地域住民及び滞在者の生命や安全保護のための第一義的な責務と権限を有する」という姿勢を明確にして、本条例の提案を行うべきではありませんでした。
 国家の利害と国民の生命・安全とは、しばしば矛盾することは、住民が日本軍に殺された戦時下沖縄の例からも明白です。有事においてはさまざまな情報が隠され、国民の安全が危険に晒される実態もあります。
 国民保護計画の策定は法により都道府県・市区町村に義務づけられたものではありますが、現に自治体によっては首長が議会への条例提案を控えていたり、あるいは議会が提案された条例を否決するなど慎重な対応をしているところもあります。また、策定の方向性にあっても自治体の独自判断で真に住民保護につながるものとなるようにと、協議会委員に戦時国際人道法の関係者や弁護士、障害者や外国人などの人権団体関係者を入れたり、委員の公募を行うなどの方針を示し、あるいはすでに実施している自治体もあります。 残念ながら、この間の市の答弁では国の示すひな形通り、消防庁のモデル計画そのままの策定の意向しか見えません。地方分権時代の自治体の役割やひとかけらの判断さえも放棄したものと言わざるを得ません。

 小金井市が今後、国民保護計画という有事関連計画を整備していくにあたって議会が議決によって意思表示できるのは唯一今回のみです。世界中で侵略戦争を繰り返すアメリカに追随する日本政府に、自治体までも追随することになるのがこの国民保護計画です。本当の国民保護、市民の保護にはつながりません。自治体外交も視野に入れた在住外国人との交流をはじめ様々な平和施策の充実など、自治体は、有事を招かない、戦争を起こさせないための取り組みにこそ力を注ぐべきと強く求めて反対討論とします。



 
 ●障害者福祉センターの指定管理者の指定について
*みどりの風は指定期間短縮の修正案を提出
修正案反対・原案賛成 18  修正案賛成・原案反対 5  で可決
★漢人は会派を代表して討論をしました

 議案第34号「障害者福祉センターの指定管理者の指定について」に対し、みどりの風を代表して、修正案に賛成し、原案にして反対する立場で討論をします。

 本議案に続き議案となる議案35号「本町高齢者在宅サービスセンターの指定管理者の指定について」、36号「福祉会館の指定管理者の指定について」、及び後ほど議題とされる議案37号「武蔵小金井南第1自転車駐車場外18施設の指定管理者の指定について」は、いずれも指定管理者の指定の議案であり、小金井市としては指定管理者制度を導入する初めてのケースとなるものです。これらの4つの施設とも公募によらない指定であるにもかかわらず、手続条例で定められた最長期間の5年を指定期間としている点で共通しています。みどりの風では、各議案に対して同様に「指定期間を3年間とする」修正案を提案しています。

 指定管理者制度は地方自治法の改正により、コスト削減と市民サービスの向上を大きな目的として導入された制度です。 制度の趣旨を踏まえれば、指定管理者の指定は、公募を経て、様々なノウハウやアイディアを持つ複数の事業者のなかから最も効果的な管理を行うと思われる事業者を選定することが原則です。このことは選定委員会からも厳しく指摘されているとおりです。
 コスト削減ばかりが強調されることで、公募によって労働環境の悪化やサービスの低下を招くのではないかとの心配もされていますが、問題は選定の際にどのような評価基準を設けるのか、あるいは募集要件にどのような条件を作るのかにかかっています。入札改革の課題となっている総合評価を、指定管理者の指定に際して導入している自治体もすでに多くあります。その施設の設置目的に即した評価基準や配点を決め、施設の効用を最大限まで引き出せる事業者を選ぶことを通じて、市民の共有財産である公の施設の価値を高め、市民の福祉の向上を目指すことができます。
 公募を行わないということは、市民サービス向上の可能性を逃してしまったということです。また、今回は公募をしていないだけではなく、選定にあたっての評価基準も設けられていませんから、指定された事業者の評価は「現在の管理委託先」であることのみです。サービス向上に向けての指針もない状態です。
 そのような中で条例上の最長期間である5年の指定期間とすることは、指定管理者制度の趣旨である市民サービス、市民福祉の向上に反することになります。
 よって、指定期間を3年に短縮する修正案に賛成し、原案に反対するものです。


 
 
2005年 第4回定例会(12月)
 ●2004年度一般会計決算
賛成13 反対9 退席1 で可決
みどりの風 /野見山 青木 小山 渡辺 漢人 × × × × ×
自民党 /露口 伊藤 高木 中根 遠藤 ◯ ◯ ○ ◯ ○
公明党 /和田 宮下 紀 (鈴木…議長) ◯ ○ ○
民主党 /小川 斎藤 宮崎 村山 ◯ △ ○ ○
共産党 /森戸 板倉 関根 水上  × × × ×
改革連合 /篠原 五十嵐  ◯ ◯
★漢人は会派を代表して反対討論をしました

 認第1号、2004年度一般会計決算に対する反対討論を、みどりの風を代表して行います。

 昨年度の小金井市では、歴史的な混乱状態にあったと言っても過言ではないでしょう。半年間の暫定予算が続き、その間には市長自らの辞職による2年連続の市長選挙も行われました。原因は武蔵小金井駅南口再開発事業を始めとした大型開発の是非をめぐって、市長と議会多数の判断が異なったため、議会は関連予算を削除する修正案を可決したにもかかわらず、市長がこれを受け入れず、異例の再議、すなわち拒否権発動を繰り返したことによります。半年にも及ぶ暫定予算の結果、実施できない新規事業や、日常業務へのさまざまな支障など、多大な影響がありました。そして半年間の暫定予算の末、再開発予算凍結の付帯決議とともに予算が可決成立しましたが、市長は2か月余りであっさりとこの決議をほごにして、一方的に予算凍結を解除しました。
 このような相次ぐ市長の議会軽視は、さまざまな考えを持つ11万市民の代表として、大変残念な、繰り返してはならない行為であり、このような行政、予算執行が行われたこの決算を認めることはできません。

 また、2004年度決算は、17年ぶり10億円の黒字との説明がされていましたが、一方で臨時財政対策債16億円、減税補てん債3億円の合わせて19億円を超える新たな借金があり、実際には赤字となります。
 そもそもこの2004年度予算は、借金で膨らんだ結果、三多摩でも3番目の伸び率という身の丈を超えた過大予算であったことも指摘します。経常収支比率についても、昨年度は従来の計算式で算出すると102%となりますが、これは稲葉市長就任の1999年の101%よりもわずかながら悪化しているという現状です。

 問題の武蔵小金井駅南口再開発事業は、地方分権、三位一体改革など、新たな財政構造の時代に耐えられる事業であるのかという十分な検証も行われないまま、予算措置がされ、事業が進められてきました。また、強い反対意志を持つ地権者への対応も不十分であり、小金井市の自然環境を破壊し、地球環境保護にも逆行するという、環境的な側面もあります。主たる地球温暖化ガスであるCO2の市の公共施設からの排出量は、前年より大幅に増加してしまいました。一方で、環境基本計画を策定しているにもかかわらず、市自らの環境問題への認識、取組は不十分であると言わざるを得ません。

 さらに、再任用制度については、反対意見も多い中で実施されているものですが、市役所業務にかかわって働くすべての人の労働条件について、正規常勤職員も、非常勤職員や臨時職員も、業務委託先で働く人についても適正な水準を維持していこうというビジョンは、いまだ全く示されていません。市役所の退職職員のみを優遇する制度となっており、認めることはできません。

 最後に、住民基本台帳ネットワークも、議会多数の反対にもかかわらず接続が強行されたものです。個人情報の漏えい事件は相次ぎ、コンピューターを過信した巨大な情報一元管理の恐ろしさは増大しているにもかかわらず、全く見直しがされておりません。

 以上を主な理由として、みどりの風は2004年度一般会計決算の認定に反対するものです。


 
 
2005年 第2回定例会(6月)
 ●一般会計補正予算
賛成14 反対9 で可決
みどりの風 /野見山 青木 小山 渡辺 漢人 × × × × ×
自民党 /露口 伊藤 高木 中根 遠藤 ◯ ◯ ○ ◯ ○
公明党 /和田 宮下 紀 (鈴木…議長) ◯ ○ ○
民主党 /小川 斎藤 宮崎 村山 ◯ ◯ ○ ○
共産党 /森戸 板倉 関根 水上  × × × ×
改革連合 /篠原 五十嵐  ◯ ◯
★漢人は会派を代表して反対討論をしました

 議案第34号 一般会計補正予算に対する反対討論をみどりの風を代表して行いま す。

 今回の補正予算については街路灯安定器のPCB調査・取り替えや東小金井駅開設 記念会館の開設に伴う経費など、歓迎する予算も含まれています。
 しかし、私たちは「住民基本台帳カードの発行手数料収入の計上」と「小学校への 警備員配置のあり方」の見直しを求めて反対します。

 まず、住基カードについては、その前提となる住民基本台帳ネットワークシステム の見直しを求める立場から、発行自体に反対するものです。2年前、総務省の示すま まに3000枚のカードを購入した小金井市ですが、手数料が無料であったにもかか わらず、いまだに1200枚しか発行されていません。また、その半数近くは60歳 以上の高齢者で、身分証明証としての取得が多いことが想定されます。住基ネットそ のものが住民が必要としている制度ではないということはますます明らかになってい ます。
 一方で、この間も様々な個人情報の漏洩事件が相次ぎ、本日もアメリカ大手クレジッ トカード会社の情報流出により、日本国内でも14万人分の個人情報の流出の恐れが あるとの報道がされています。住基ネットというコンピューターを過信した巨大な情 報の一元管理の恐ろしさは一層大きくなっています。
また、5月30日には金沢地裁が住基ネットによるプライバシー侵害の深刻さを指摘 し、本人の同意がない場合の接続はプライバシー保護を保障した憲法13条に違反する との違憲判断を示しました。
 地方分権の中で、住民の個人情報・人権を守るという観点からの、住基ネットに対す る市長の判断をあらためて求めます。

 次に、小学校への警備員配置についての見解を述べます。
防弾チョッキやヘルメットで身を固めた民間会社の警備員が不審者を探して学校の内 外や市内を巡回する状態が子どもたちにとって好ましい環境でしょうか。安易な警備 強化は過剰な監視型の安全管理を助長する危険があり、受け入れることはできませ ん。
 26市の警備員等の配置状況の資料が示されましたが、警備会社への委託という選択を している市は他に一市しかありません。シルバー人材センターからの派遣など有償ボ ランティア的な配置をしている市が多く、教育的な配慮も含め、地域住民による見守 りの延長的な対応を選択しているものと思われます。制服による抑止効果に期待する とのことですが、むしろ逆手に取った犯罪をも誘発しかねません。予算的にも他市か ら突出した民間警備会社への委託を選択されたことについては大きな疑問です。  そもそも、この事業の目的とされているのは「児童の安全確保と安全な学習の場の確 保を行い、教育活動の円滑な運営を実現する」ことです。
 この間の寝屋川市や池田小学校の事件などを受けて、何らかの対策を求める声が保護 者の間に高まっていることは確かであり、そのような思いに応えるために予算措置さ れた姿勢は評価します。
   しかし、社会的注目度は高くても、不審者の乱入によるような事件は、むしろ氷山の 一角でしかありません。子どもたちが安全に過ごすべき学校におけるさまざまな事故 ・学校災害は増え続け、小さな怪我は除いても年間200万件にものぼっていること が「学校災害共済給付」の件数に示されています。この事実に冷静に対応することが 必要です。
 一時的な対症療法的な「防犯」に限定した対応ではなく、学校災害全体を問題とし、 広範な「学校安全」に対応する安全指針の策定や、各校への安全職員などの専門的な 人員配置、地域とのネットワークなどの総合的な対応の検討・実行が緊急に求められ ています。
 今回の措置は試行的な実行だと説明されましたが、根本的な見直しが必要です。

 以上、大きく二つの理由により、みどりの風は一般会計補正予算に反対します。


 
 
2005年 第1回定例会(2月)
 ●学校給食業務の改革を求める陳情書
賛成12 反対11で可決
共産党 /井上 板倉 関根 (森戸…議長) × × ×
公明党 /和田 鈴木 小尾 ◯ ◯ ○
改革連合 /武井 五十嵐 西岡 × ◯ ○
改革21 /篠原 小川 高木 ◯ ◯ ○
生活者ネット /小山 藤村  × ×
自民党 /伊藤 露口  ◯ ◯
市民の党 /青木 野見山 × ×
市民自治こがねい /漢人 ×
わくわく環境クラブ /若竹 ×
市民ウェブ /稲垣 ×
民主党 / 斉藤
民主党:市民 /渡辺
★漢人は反対討論をしました

 16陳情第52号学校給食業務の改革を求める陳情書に反対する討論を行います。
 まず、本陳情では全文の中で、学校給食検討委員会のあり方について、次のように触れられています。「学校給食検討委員会の答申は委託化について「賛否両論の併記』とされていますが、異例なことに少人数の検討委員会に委託反対を標榜する給食調理員が2名も入った末の答申であり、実質的には「委託化」が多数の意見であったと記憶しております」というものです。
 学校給食検討委員会は私自身も都合のつく限り傍聴してきましたが、小金井の学校給食をめぐる様々な問題について、さまざまな立場から資料も豊富に提出され、熱心に議論が行われており、この答申も委員自らが調整を重ねてまとめられた高く評価できるものと受け止めています。また、委託化について賛否を取った経過はなく、実質的に「委託化」が多数であったとくくられうような内容でもなかったと認識しています。
 陳情代表者も委員として参加していた委員会であり、大変残念な受け止め方だと言わざるをえません。
 陳情は市の中学校調理業務委託化方針は答申に沿ったものとしていますが、答申では委託によるメリットは示されていません。また、教育委員会は答申の内容を広く保護者や市民に知らせることもせず、庁内のたった3回の会議で委託化の方針を出したことは、検討委員会の熱心な議論ないがしろにするものです。さらに12月議会で、市民への説明を求める陳情も採択されているにもかかわらず、いまだに全く対応されていません。
 陳情項目1、2、3において、民間委託によって人件費を削減し生み出された財源は、ランチルーム、食器、調理施設、多様な給食、米飯給食、食教育などと例示して小金井の学校給食の質および安全性の向上に充てることを求めています。しかし、陳情審査の中では、市がいつまでにどのような財政計画の元で取り組みを行おうとしているのかなど何ら明確になっていません。
 最後に最も問題なのは、小金井の給食の質を具体的に保障する指針やガイドラインがいまだに示されていないことです。
 結局、現在の市の民間委託の方針では職員を減らし人件費を節減することのみが強制され最も大切な学校給食のこれからのあるべき姿が示されていません。
 このような段階で本陳情を安易に採択するべきではありません。


 
 
 ●乳幼児医療費助成の所得制限撤廃を3歳未満に拡大する条例改正
賛成21 反対2で可決
★漢人は反対討論をしました

 議案第21号 小金井市乳幼児の医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例に反対の討論を行います。
 4年前の1歳児未満児に続き、今回は3才未満まで医療費助成の所得制限を無くす年齢を引き上げる条例改正の提案です。4年前と大きく違うのは、今回は市長が、ご自分の考えでは所得に応じた負担をしてもらうべきであり、無料化は国の施策として行うべきものだと考えているにもかかわらず、市長選の際に結んだ支援政党との政策協定に基づいて不本意な提案をしていると明言している点です。
 子どもの育ちを保障する保育園や学校、医療費などを無料化し、親や保護者の所得にかかわらず、子どもたちに対する児童手当を充実するというような総合的な社会保障システムの一貫としては医療費の無料化も所得制限の撤廃も歓迎します。しかし、今回の提案については、次の3点の理由で反対します。
 第1には、今回の条例改正は乳幼児医療費だけの助成制度であり、小金井市がどのような考え方でどのような福祉や社会保障のシステムを目指しているのかが不明だということです。小金井市の子育て支援については現在「のびゆく子どもプラン」の見直し中です。乳幼児医療のあり方についても医療費の無料化だけでなく、子育て支援の総合的な方針と合わせて検討されるべきものです。
 第2には、税の使い道の優先順位の問題です。国や東京都の制度の不十分な点を小金井市でどのように補うのかという観点がなく、難病やひとり親などほんとうに支援を必要としている子どもたちや保護者への援助などは財政的に困難だからと薄いまま、あるいは切り捨てて、その一方で充分に負担能力のある方たちにまで市が助成するという提案だということです。限りある財源の中から市が行うべき施策の優先順位として誤っています。
 第3には、過剰な医療依存の現状があります。親たちや社会が子どもの病気とゆっくり向き合う余裕を失い、安易に医者にかかり、薬に依存する傾向が強くなっています。医療もパターン化して、1人1人に向き合うということがなくなっています。例えば、いまも流行しているインフルエンザの症状を緩和する特効薬などは、いまや世界中の7割を日本で使用しているとのことです。
 いま、乳幼児医療制度に関して小金井市で行うべきことは、所得にかかわらない医療費の無料化の拡大よりも、電話相談も含めた適切な医療を選択できる力を付ける教育などの整備と難病をはじめ真に援助を必要としている子どもたちや親への支援です。
 以上の理由から、この乳幼児医療費の所得制限の撤廃の条例改定に反対します。


 
 
 ●発達障害児(者)に対する支援促進に関する意見書
賛成22 反対1で可決
★漢人は反対討論をしました

 本意見書は昨年12月に成立した発達障害者支援法を前提としています。この法律は数ヶ月前に突然提案され、障害者が当事者として参加する充分な審議もない中でつくられたものです。障害の早期発見・治療に重点が置かれていますが、早期に有効な発達支援は今のところ具体的には存在していません。さらに就労支援・生活支援については全く内容がありません。
 支援法といいながら支援の具体策がない状況で、早期発見を進めれば、深刻なラベリングの問題が起こります。毎年新規に10万人近い障害乳幼児が健康診断で発見され、さらにその数倍の子どもたちが発達障害疑いという判定を受けることになり、多くの親子が困惑の中に放置されることになるとの指摘もされています。
 よって意見書項目の2には賛成することはできません。
 また、項目4では就労支援として、雇用支援コンサルタント・相談員等の配置が求められていますが、従来の障害者雇用の問題すら満足に解決されていない現状では、より重度の障害者が現在の職を追われ、その変わりにこれまで通常に勤務していた発達障害者が新たに障害者雇用枠に格下げされる危険さえ生み出すものであり、基本的に福祉予算を切り下げながら、障害者の数を従来の2%から8%に増加させようとする法律自体に、無理があると指摘されています。
 一方、専門家による正しい指導の導入によって、友人関係や集団の中で孤立したり、「できない」ことで自信をなくしたりして、自己評価が低下することを防止するのが最大の支援とも言われており、項目3、5、6にうたわれている「保育園、幼稚園及び学校、学童クラブでの受け入れや、指導員・人材の養成や配置、確保、発達障害児(者)への理解の普及は重要です。
 早期発見・分離教育ではなく、障害も個性として尊重され共に育っていける社会をつくるべきです。発達障害者支援法には慎重であるべきとの立場から本意見書には反対いたします。